2023秋 フランスのジュラ地方にナチュラルワインを飲みに行く1人旅 #7 ジュラには3つ「フランスの最も美しい村」があるんだよね

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ぐるめ

にゃー🐈 ニャロです。

天気が良かったのよ、ジュラでの最初の3日間。それに、アルボワの飲食店やワイン・チーズ屋さんは軒並み日曜・月曜定休。

だから、観光チックに、ジュラにある「フランスの美しい村」シリーズを攻めてみたの。文句ある?

⬆そういう名前の協会があるのね。そして、ジュラ(=フランシュ・コンテ地方)の3つの村が「フランスの最も美しい村」にリストアップされてて。

そのうちの一つ「シャトー・シャロン」はね、ワインマニアならね、アレじゃんね。なんせ、

みんな大好きなワイナリーRousset-martin Francoisは、シャトー・シャロンの展望台から見下ろした美しい葡萄畑斜面の下、たった直線距離2kmだってんだから。「観光なんてしてらんねーぜ」ってワイン馬鹿だって無視しちゃならない場所じゃんね。

そのお隣のボーム=ル=メッシュー村もじゃんね。こりゃいいや、天気もいいし、行って見よう!

まず向かったのは、アルボワからクルマで南西に36kmのBaume Caves。今の季節は営業してないんだけど、どーんと切り立った崖に挟まれた場所で、なんか凄いらしいのよ。

田舎道の運転、好きだわ。呑気に窓全開で。景色の2/3は牧草地帯で、大半がコンテチーズのための乳牛モンベルアードちゃん。白と茶色の、童話の世界の牛みたいなの。

案外、ぶどう畑は少ないわよね。それこそブルゴーニュとかピエモンテとか、日当たりいい場所は全部ぶどう畑で、それ以外の場所に野菜畑や住居があるイメージだけど。すごい日当たり良さそうなPupillinの斜面が結構牧草地だったりするんだもんね。

で、道はありえないくらい細くなっていって、そして左右には迫りくる…

ヤバいって。なんなのよ、この白い岩山っていうか、崖っていうか。これが左右に。

ドンゲバビーって感じ、呆然唖然。

石灰岩ってやつじゃんね。そこから滲み出た雨水が小川になって、

世界の端っこって感じ。ドラクエだったら、絶対行き止まりで強敵モンスターとかメタルスライムがウジャウジャいそう。

夏場のみ入れる洞窟の入口真下とか、でっかい落石だらけで、相当やばそう。だって、石灰岩=崩れやすい石、だもんね。

明らかにデンジャラス、ヤバいので、とっとと脱出、「ニゲル」の一手。

燃費の悪いTIGUAN君で、次に向かったのが「フランスの美しい村」の一つ、ボーム=ル=メッシューの中心地。

ここも、村なのに崖に挟まれてて。マジで「なんでここに村が?」って感じ。

すげージュラ晴れなんだけど、ここは迫りくる崖に挟撃されてる「フランスで最も危ない村」って感じ。

なんとかって立派な修道院があって、ササッと覗いて、

いいのよ、自由気ままな旅なんだから、滞在時間も歩き方も自由。誰も文句言わないし。

まあ、天気もいいし、ワインばっかり呑んでるのも楽しいけど、ジュラらしい地形というかテロワールを見て回るのもいいじゃんね。特にここジュラはそうじゃんね。

ホントは、この村のレストランでお昼ごはん、って思ってたんだけど、お店のメニューや空気から、「これは…」と回避。なんかさ、わかるじゃん。ね?

で、クルマでシャトーシャロンへ。途中で、FRMさんのワイナリーのある集落をチコっと覗いて⬇

⬆ここがFRMさんの!小さいワイナリーじゃんね、そりゃそうよね。こないだの北イタリアでも、手造りそのものな「IL VEI」とか「NICOLINI」とか、小さい建屋のワイナリー、ってか「自宅の一部がワイン醸造と樽置き場」、だったもんね。

で、クルマはシャトーシャロンに向けて、ぐんぐん登り坂。さっきまで見上げてた、あの石灰岩の崖の上にあるのがシャトーシャロン村。意味不明。

牛しかいない道をぐんぐん登って、

シャトーシャロン村の無料駐車場へ。なんせ崖の上の小さい村だから、中心地にはクルマ停めにくそう。ここから歩きまーす。

人類と煙って、高いとこが好きよね…

そして、崖からくだる急な斜面にはぶどう畑が。

そうそう、お昼時間だし、軽く軽食をシャトーシャロンで。「Le Café des Seize Quartiers」って軽食屋さん。昔はイカしたワイン置いてたみたいなんだけど、オーナーさんが変わったのかしら、アレな感じだったわ。

適当にハムサラミチーズ盛り合わせと、

レバー入りのパテと。そしてアレな感じのグラスワイン。まー、アレね。

はっきり言って、お店なんて殆んど無いかんね。そんなシャトーシャロンでは貴重な食事処なんだろうけど、

まあ、ジュラの飲食店がすべてワンダフルなわけはなくって。まー、そんな感じ。当たり前じゃんね。

しかし、シャトーシャロンのぶどう畑を見下ろす景色は、はっきり言って一見の価値あり、だわよ。これは感動するし、もしシャトーシャロンの何かのワインで思い入れのあるワイン好きな人類だったら、かなりグッとくるわよ。

⬆あのへんに、フランソワさんのワイナリーがあって、

うわー、黄葉が始まってるシャトーシャロンの畑、キレイ〜!

ホント、作付面積の小ささがわかる景色だもんね。

美味しいパン屋さんでサンドイッチ買ったり、パン買ってハムかチーズ買って、ワインかコーヒー。もしグループ旅なら、それこそFRMさんのシャトーシャロンのキュベ持ってきて、ここでお陽さま浴びながら呑んじゃうなんて、ゴージャスじゃんね。

シャトーシャロン周辺の牧草地の牛さんたちって、明らかに他のジュラの「コンテチーズ公認牧草地」の牛よりも、格幅が格段に良く見えるのって、気の所為かなぁ…

だってさ、石灰岩の崖の上の牧草地は、朝夕に太陽を陰らせる崖に囲まれてないし、うるさいクルマも殆んど来ないし(結構、高速道路や幹線道路沿いも牧草地だから、比べると明らかに良い環境)。

顔つきも穏やかにみえちゃうし。さっき行ったボーム=ル=メッシューの牧草地は、崖の狭間にあるから、絶対に日照時間が短いはずなのよね。

つまり、フランスのAOCチーズの中でダントツ生産量が多いコンテチーズ、実はかなり生産者というか乳牛の放牧エリアで味の差があるのでは… なーんて思って。だって、コンテチーズって「与えていいのは牧草と干し草だけ」ってAOCルールだから。

で、後日、コンテチーズの中心地ポリニー村(アルボワからクルマで10分ちょい)にある「La Maison du Comté(コンテチーズ博物館)」にお勉強に行ったとき、質問したのよ。

「ジュラの何ヶ所かでコンテチーズ用の乳牛の放牧を見たんだけど、牧草地や牛のコンディションがかなり多様だなー、って。ってことは、同じ『AOCコンテ』でも、ワインのAOCアルボワみたいに、乳牛や造り手で味も多様なんじゃないかって思うんだけど、特に素晴らしいコンテチーズはどこにいけば手に入りますか?」、って。

これって、コンテチーズ協会的には最悪な質問だったみたいで。

「コンテチーズは、同じ牛の管理、同じミルクの輸送管理、同じ製法、同じルールでの熟成・保管・出荷検査をしているので、放牧エリアや乳牛やチーズ製造所によって、そのような差はありません。ただし、季節によって餌の牧草の種類が変わったり干し草になったりで、季節毎に風味は変わりますよ」、だって。

このコンテチーズ博物館、とにかく説明の基本ルールが「みんな仲良く、みんな同じ、同じ素晴らしいコンテチーズ!」っていう、やや共産主義チックな空気。元々、各農家が数頭ずつ飼育してた乳牛を組合的に集めて、共同のチーズ製造所で大型のコンテチーズが作られるようになった、ってんだから、まー、「うちの牧草も乳牛もピカ一だから、うちのコンテチーズはグラン・クリュ扱いやでー」なんて生産者がいたら収拾つかないんだろね。

で、実際、何ヶ所かのチーズ専門店やレストラン、コンテチーズ博物館で試食して、同じ時期の同じ熟成月数でも、かなり味が違うって今回わかっちゃったから。ラベルじゃ判別不可能だから、やっぱ現地のチーズ専門店を選ぶ、しかないっぽいわね。ポリニー村中心地のチーズ専門店「Epicurea」のコンテチーズ24ヶ月は、飛び抜けて素晴らしいコンテチーズだったわよ、グフフ…

で、別の、やや小雨混じりの雲りの日。散策に出かけたの。食べて飲んでばっかりじゃ、豚になっちゃうし。

で、アルボワの南にクルマで20分のBESAINにある「SENTIER KARSTIQUE」っていうハイキングコースにも行ってみたの。

日本語に訳すと「カルスト台地の小径」、みたいな。

妖しげで、面白そうだし、ちょいと一時間もあるけば、よりお昼ごはんも美味しいだろうし、って。

これがまぁ…

時間があったら、是非オススメな散策で。なんせ、そこらじゅうに石灰岩が突き出てて。まさにカルスト台地。そこに鬱蒼と苔むした感じは、ちょっと異世界。日本で見たことない光景の連続。

この苔むした感じもね、えーっと、Lons-le-Saunierのワイン屋さん「Oenothèque La Sidéral」の女将さんが言ってた「ジュラのワインの特殊性はね、石灰岩土壌と高い湿度、この2つがポイントだかんね!」ってのがよく理解できる感じよね。南仏とか、ロワール河口エリアに、こんな景色は無いもんね。

ってわけで、一応ハッキリさせとくけど、ジュラでの1週間、食って飲んで昼寝してばっかだったわけじゃなくって、こんな感じでちょいちょい、探索というか、ウロウロしたんだから。

でさ、ここ「SENTIER KARSTIQUE」、基本的にヒトの手が入ってないから、「多分、この道…」みたいなハイキングで。100mに一回くらい、小さな原始人マークのしるしが木に掛けてあるだけ。ハッキリ行って、すげーわかりにくくって。

で、迷ったの。マジで。ヘンテコなカルストの石灰岩と、奇妙な穴ぼこの連続。方向感覚は全く無くなって、富士の樹海で迷った気分。うへー。

幸い、GoogleMapとGPSは稼働してくれて、駐車した場所の履歴だけを頼りに森の草むらをかき分けて… 夕暮れ時解かだったら、カルストの穴ぼこに転落したりヤバかったわ。ジュラの自然、恐るべし。

まー、そんなこんな、そこら中が美しいジュラ地方だけど。なんつーか、日常な景色も美しいし。素敵なお店のお食事風景も、相当美しいかんね!

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