スナフキンのように気ままなワイン旅 北イタリア2023 #10 『GRAVNER (ゴリツィア県, フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州)』でお昼ご飯と畑&ワイナリー見学

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ぐるめ

にゃー🐈 ニャロです。

『IVANA & SECOND…』で素晴らしい夕御飯食べて、

無飲酒運転で恐怖の山道をソロリソロリと下って、いわゆる民泊で宿泊。

今回の民泊は、実に使い勝って良くって。例の「ワッツアップ」に英語のメッセージで「部屋の鍵が入ってる玄関のキーボックスの解錠番号」と「部屋への入り方動画」が送られてきて。

めっちゃシンプルでわかりやすいし、到着が夜遅くなっても問題なく部屋に入れるし。便利な時代が来たものよね…

え、「英語は苦手…」?そんな時は、優秀な添乗員と一緒に旅するしかないわね。

ちなみに、「事前に連絡した時刻に到着しないとチェックインできない」民泊もあるので、スーパー要注意。これは、また後ほど詳細をシェアするわね。哀しい物語があるのよ。

今回の民泊宿は清潔快適、メジャー観光地じゃないのにね。もう21世紀のイタリアには「お湯が出ないシャワー」とか「水を吸わない激薄タオル」は絶滅しちゃったのかしらね。ちょっぴり寂しいわ。

で、翌日イタリア三日目。2軒目のワイナリー訪問は、泣く子も黙る、醸しワインの大御所『GRAVNER(グラブネル)』なのよん。

当主ヨスコさんの娘さんのマテイアさんが、畑と醸造所を案内してくださって。お昼ご飯には葡萄&ワイン造りに参加してるマテイアさんの息子さんも、後半にはマテイアさんの旦那さまも参加してくれて、普通に「楽しいお昼ご飯飲み会」になっちゃったような… 気の所為よね。だってお勉強しに行ったんだもん。

最初に、葡萄畑。不思議な感じの葡萄畑。

すり鉢状っていうのかしら、斜面が一点に向かって集約してるような、ミステリアスな畑じゃんね。

畑の中に、木陰ができる木々が植えられてたり、鳥のおうちやビオトープが造られてたり、でっかい「壺」が転がってたり。ちょっと他ではみない、なんてゆうか哲学的というか。

畑のちょいと先はスロヴェニア、外国。日本人のは理解し難い国境感覚。葡萄には国境なんて関係無いけど、ほんの1000km先ではロシアとウクライナ(兵器は欧米諸国製、予算も欧米諸国提供、兵隊さんだけウクライナ国民)がタタカイやってるってんだから、国境について考えちゃうわよ。人類って、未だに大半は猿なのね。

ここゴリツィアから東に920km、クルマで9時間走ればウクライナの西端の町。クルマで数分走ればスロヴェニア。オーストリアもクロアチアも1時間走れば国境だし、なんとも大変な場所よね。人類がゴリラだとしたら、ここは超デンジャラスゾーン。歴史に学んだ欧州人はユーロっていう共同体を作ったけど、ロシアは欧州じゃないってことなのね…

でも、幸い、今のゴリツィアは平和だし、実に美しい葡萄畑が連なってるかんね。そして、埋まってるのは地雷じゃなくって壺、壺、壺…

そう、アンフォラっていう、壺。オカルトじゃなくって、この壺で熟成させると、なんともユニークな熟成をするみたいなのよね。

ふむふむ…

なるほど…

このあと街ブラしたトリエステのワインバーのマスターが「グラブネル… クラシックな造り手だな」って言ったのは、そういう意味なのね。今じゃ世界中で造られ始めてる「醸し白ワイン」とか「アンフォラ使って熟成」を20年以上前に北イタリアのフリウリで始めたってことなのね。へー。

そういや、昨日訪問したボルツァーノのTröpfltalhofもアンフォラ使ってたもんね。ふむふむ…

さぁ、醸造所も見せてもらっちゃお〜。

… ってか、お城じゃね?いわゆる「ナチュラルなワイン」の農家的造り手さんで、こんなお城みたいな自宅兼醸造所は初めてだわ。

200メートル先には小川が流れてて、その対岸はスロヴェニア。スロヴェニアの集落を見下ろすお城的醸造所。お口あんぐり…

建物の前に、怪しげな… 葡萄畑の拡張で、醸造所内のキャパシティが足りなくなって、急遽造った「野外アンフォラプール」なんだって。

なんか… 古代土器時代みたいじゃん。

数年前までは、この⬇絞り器使ってたんだって。へぇ〜…

今は、この水平型の絞りマシン⬇だって。そりゃね、ここの畑面積からしたらね、そうよね。

さぁ、お楽しみのアンフォラ部屋へ。暗い階段を下へ…

うわぁぁぁぁぁ… ドラクエの「宝物庫」じゃん。ヒンヤリとした静けさに包まれたアンフォラさんたちがズラリ。真ん中の椅子には宝物庫の番人が。

マテイアさんが、この「アンフォラ宝物庫」について説明してくれたんだけど、難解。まぁ、壺の容量とか熟成期間とかはヴィナイオータの説明書きでも読めばいいし、今はこの空間の空気をリアルに感じるのが大事な気がするわ。

これよこれ、混ぜ混ぜする棒。これがエグい作業なんだって。

1回の混ぜ混ぜ(ピジャージュ)に約45分、それを時期には休み無しに、同じ壺で1日に何回もやるんだって。

実際にこの作業やってるマテイアさんの息子さん(オッサンっぽいから、マテイアさんの旦那さんかと思ってた)に聞いてみたの。

「難しい作業なの?テクニックとか、経験が必要なの?」

「全然、ピジャージュって作業は難しくない」

「じゃあ僕でも出来る?」

「フフフ、すげーキツいよ。果帽がガチガチに固まってるから、筋肉モリモリじゃないと全然混ぜられないし、それを45分繰り返すんだもん。フフフ」

「フム〜!そんな大変な作業してるなんて、知らなかった〜!」

… 整体すると偽って筋肉モリモリチェックしたけど、こりゃ相当のモリモリ度だね。「ワインは葡萄を絞って発酵させるだけ」ってのはウソだって、リアルにわかるじゃんね。やっぱ現場を見るのは大事じゃんね。そして、リアルにヒトと接すると、そのワインは特別なワインになるじゃんね。当たり前よね。

階段上がって、次は樽ルーム。

圧巻じゃんね。アンフォラで1年、樽で7年… サラリーマンだったら最低でも2回は部署異動する期間、ここのワインは熟成をするわけね。

瓶詰めマシンとか、

出荷梱包エリアとか、

見せて頂いて見学終了。なんか、いっぱい感じるものや学ぶものがあったなぁ。

グラブネル城の地下深くに「アンフォラ宝物庫」、その上に「木樽宝物庫」、そこから直結で階段上ると、

ご家族のリビングルーム!マテイアさんがお昼ご飯作ってくれて。

そして、試飲じゃなくって、ご飯のお供のワインたち。ヨダレじゅるじゅる〜。運転手は香り楽しむだけだけどね。

ワクワク、ワクワク。

お局様のGATさん。お年寄りだから、静かにお昼寝してたニャン。

ん?なに、これってフィンガーボールじゃないの?もしくがビシソワーズスープの器じゃなくって?

GRAVNERグラスなるワイングラスなんだって。「ん?」って思ったけど、香りはゆったり取れるし、案外好きだわ。問題は、ドライバーだから飲めないことだけ。

ちょっとはワインの話もしたけど、やっぱ食事中はワイン馬鹿を一時中断してバカ話が楽しいわよね。

なんかさ、お値段もお値段だけど、「高貴なワインで、あんまり自分には縁がない、キレイで気品溢れて、素晴らしすぎるワイン」だって思ってたけど、こんな人達が造ってるってリアルにわかっちゃったから、なんか気持ち的に身近なワインなっちゃった。

なんかさ、よく北海道のワイン生産者さんから、「ヨーロッパのように欧州系ワイン用葡萄に適した気候じゃないから、北海道での葡萄栽培は大変だし、収量が酷い年ある」って聞くから、マテイアさんに聞いてみたの。

「マテイアさんが覚えている範囲で、一番酷い収量の年って、平均的な収量に対してどれくらい酷かったですか?」

「結構酷い年は多いわよ。数年前、平均的な収量の4割以下の年があったし」

… そうなのね。そりゃ、そうなんだろね、開花時期に強烈な雨降ったり、収穫前に雨続いたり、農家さんは自由自在にお天気操作できないもんね。そういう意味で、「葡萄は神様の贈り物」なのかも。

みんな、呑むよね。そりゃそうだ、こんな素晴らしいワインたちを、ワインの造り手の家族と一緒に飲んだら、止まんないわよね。食後酒まで飲んじゃってさ。大丈夫、運転手が皆様をホテルまで無事にお連れしますから。

え、えええ〜!「これからトリエステ飲みに行こうぜ」って?マジすか…

これが、今夜の悲劇を呼ぶことになるんだけど、それは後ほど。

アホみたいに不味い、チェコのミネラルウォーター(海水薄めたような…)で酔い醒まし。

幸せな時間だったわ。まったく、地球は狭いし、笑顔は世界共通じゃんね。

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