自動車メーカーの部品発注『予算』って、どうやって決まるんだろ 自動車部品メーカー ヤングサラリーマンのための豆知識

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株式投資
oznorMB

にゃー🐈 ニャロです。

新型コロナ対応の緊急事態宣言が解除された都内は、普通に混雑。

都内の山手線、ラッシュアワーに乗ってて大地震来たら、もう生き残る自信無いかも… 東京怖いぃー

ロジカルに考えれば、また再宣言されんだろうから、飲食店は本当に大変よね。自動車部品製造業と同じで、材料調達(食材・飲料仕入れ)と生産準備・前工程(調理仕込み)しないといけないのに、政府の決定がいつも突然開始とか延期とか解除だから。食材は腐るからね。レンジでチンじゃないんだから。

小田和正さんの声も曲も、いいわよねぇ。一世を風靡した『ラブストーリーは突然に』は、ドラマ『東京ラブストーリー』のテーマ曲。「かーんち」って、鈴木保奈美さんに言われたら、痺れるわよねぇ

苦しいのは、営業利益率が低い自動車部品メーカーも同じかな。鉄・銅・アルミ・樹脂の価格高騰、円安による海外調達品のコストアップ、コンテナ船輸送費高騰、電子部品調達問題対応のための在庫レベル積み上げ起因のキャッシュフロー悪化、営業がお客さんとこに「かくかく然々、なので値上げをお認めくだせぇ」と経営陣指示でお願いに行けば、「そんなの認められません」「今検討中の次期モデル発注検討においてネガティブに評価されるけど、いいの? (脅し)」「今年はそんな予算無いから、ゴメンね」なーんてあしらわれて。

「じゃあ、部品・材料の供給止めますね」って言える、ダントツ部品メーカー(外資系のボッシュ様、コンチネンタル様、日系のデンソー様とかヤザキ総業様とか)の営業はまだ交渉テーブルにつけるけど、いつでも発注先切り替えされちゃう部品メーカーや、「半子会社」みたいな一本足打法の部品メーカーは厳しいわよね…

そう、自動車メーカーの購買(バイヤー)さんって、やたら『予算予算』って、聖書を唱える如く繰り返す人いるわよね。不思議じゃない?

『ドラえもん』という最新技術の超大型投資を受けても、生産性に改善がまったくみられないのび太さん。サラリーマンにはならないほうが良いわよ…

時には「予算に収まってないので、発注できません」、時には「査定値より高いので、払えません」、時には「中国の競合他社より高いから発注できません」。懐かしの「ああ言えば上祐」の如くよね。

元、某宗教団体のスポークスマン。「わたしは大丈夫」って思っても、人間のメンタルって案外脆いもんだから、気を付けないとね。外からみたら、「えっ?」って宗教的運営してる企業もあるし…

決して「予算内だし、査定値より安いし、他社より安いから発注するわよ、ありがとね」なんてセリフは吐かない、それが自動車メーカーのバイヤーってお仕事。やーね。

さてさて、自動車部品の『予算』って、どうやって決まってるんだろ。少しでも高い価格で受注を勝ち取りたいヤングサラリーマンは、ざっくり理解しておいたほうが、お得よね。

まず、大きな話としては、新しい車の販売計画から始まるのよね。例えば、『中期経営計画』とか『五ヵ年計画』なんて、大抵の自動車メーカーは策定してて、なんともシンプルに右肩上がりの販売台数増・売上&利益増の美しさ未来像を描いてるわけ。

これ、某『いすゞ自動車』、我らが藤沢市に工場を持つトラック屋さんの『中期経営計画』。右肩上がりじゃない『中期経営計画』って、見たことないかも。

某いすゞ自動車の『中期経営計画』抜粋。この通りの結果になれば、株主も経営陣も社員もみんなハッピー

で、これを実現するには、例えば「2026年に、いくら売上と利益が必要」→ 営業は、「こういう車種・グレードで売れるトラックがあれば、一台500万円で20万台/年売る」って販売見通し策定 → マーケティングが、コンセプトを策定 → 新型車の総責任者がアサインされ、予算(工場投資や設備、金型、開発費なんかの先行投資予算と、トラック一台あたりの生産費用としての予算)を策定 → この予算をベースに、会社の各部門が動きだし、「予算内」「日程内」に新型車を立ち上げて、「中期経営計画」を達成できるトラックの立ち上げプロジェクトが加速していくわけです(相当ざっくり、ね)。

この中で、「外から買うもの」に関して、総枠の予算に対して、前型トラックの部品表だったり原価情報なんかをベースにして、経理部門が鉛筆舐め舐めしながら算出するのが、「部品の購入予算」。これを、設計部門からの情報(自動化するから電子部品が追加になるよー、とか、小型化するから材料費用が安くなるよ、とか)を踏まえて算出・補正を繰り返し、最終的に総予算が目標予算内に入ることを役員会と新型車の総責任者が合意(お前、わかってんだろな。この予算内で新型車立ち上げできたら昇進、失敗したら…な、みたいな)されて、正式な「予算」になるわけです。

どっかの自動車メーカーは「No budget no sourcing (『予算』無くして『発注』無し)」って言いつつ、それだと新型車の生産開始に開発が間に合わないってことで、「先行ソーシング(部品サプライヤー選定イベント)」やります、なんて言っては、何回も見積り前提図面の指し直しだったり繰り返すじゃない。発注決定がなかなか進まないのは、そういう背景なのよね、きっと。

ま、だから、この『予算』ってヤツは、自動車メーカーの経理部門の質がそのまま表れるっていう、怖いものなのよね。

あるメーカーは、図面や材料の単価・重量、製造歩留まりなんかを加味して、実際に部品サプライヤーが原価を算出するのに近い方法で算出したり、あるメーカーでは「前型車は2018年時点で単価1000円だから、年間5%はコストダウン出来てないとダメだから、次期型車立ち上がりタイミングの2023年では▲5% x 5年間 = ▲25%ってロジックで、1000円 x ▲25% = 750円、はい予算出来た」なんてケースもあるような、無いような…。部品費の半分が鋼材みたいな部品で、▲5%って、実際は材料費以外を年間▲10%下げろって、現場現実知らない経理が設定する『予算』ほど怖いものは無いわけです。

一方で、「自動化」や「電動化」、「新技術」となると、ほぼ部品サプライヤーの言い値予算になったりして、その分が総予算を圧迫した結果、コンベンショナル部品の予算が削られたり、そうなると、どのサプライヤーもそんな「現実とかけ離れた予算」に追従出来ずにサプライヤー決定が遅れる、そうなると開発開始が遅れる、金型や生産設備投資が遅れる、試作の納期が遅れたり、品質に問題が出る、その問題解決に追加費用が発生したり、更なる遅れになる、販売延期になったり、当初の計画原価を大幅に未達成となって利益率目標を達成できない、などなど。

某自動車メーカー期待の新型電気自動車。計画通りの日程で、市場不具合無しで、計画通りの販売台数と利益貢献してくれますように…

っていうわけで、僕が営業だったら、お客さんのバイヤーが「予算予算」って呪文を唱えても知らんぷり。それより競合他社の価格レベル情報をいかに入手して、負けないこと。「予算」に収まらなくても、日程内にサプライヤーを決定しないといけないのが買う側「購買・バイヤー」の弱みだかんね。頑張って受注してね~❗

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