にゃー🐈🍇 ニャロです。
寒波でめちゃ寒、大雨予報だった今週の北海道の空知エリア、予報が大きく変わって、今朝もいい天気。寒さも、身構えてたほどじゃないし、最高の収穫日和だわ!
今日お伺いしたのは、札幌の東、空知地方にある『10R トアール』ワイナリー、昨日お手伝いした『kondoヴィンヤード』の近くに醸造所と畑があるのよね。
この『10R』さんて、自分の畑や、信頼してる葡萄農家からの「買い葡萄」での醸造だけじゃなく、「受託醸造」ってやってて、醸造設備を持ってない小規模ワイナリーの醸造をお手伝いしたりもしてんのよね。
そういう「受託醸造」のワインも、とっても美味しいワインが多くって、しかも「10R 卒業生」みたいなワイナリーからドドスコと増えてて、この『10R』のブルースさんが、惜しみ無く知識やノウハウを伝授してくれてることも、素晴らしい北海道ワインがじわりじわりと増えてくれる理由の一つみたいよ。感謝しちゃうわ。
まずお手伝いしたのは『除梗(ジョコウ)』、ワインを造るやり方って、葡萄の房から粒を取って、葡萄の実だけでワインを醸造する方法と、葡萄の房ごと、潰して漬け込んで、葡萄の『梗』ごと『全房発酵』する方法もあるのよ。
『梗』ってのは、果梗、つまりブドウの茎、粒がついている軸の部分のことだかんね。これよ↓
ブルースさんお手製の『除梗板』に、収穫した葡萄をドサッとのっけて、まず『選果』。
カビが生えてたり腐敗した葡萄があったら摘まみとるんだけど、今回の「ツヴァイゲルト」は余市産で、すっごく健康そのものの感じで、ほとんど取り除く必要なくてビックリよ。
午後に収穫した「ピノ・ノワール」は、全体で1/3以上は、「灰カビ病」なんかで、悲しいくらい捨てたもん。収穫作業も、選別しながらだと、3人がかりで20分で3mも進めないんだから、ゲゲゲっ。
「選果」したら、この『除梗板』に、両手で葡萄をグルグル、まさに『ベストキッド』のペンキ塗りの修行の如く、軽く押し付けながら廻すの。グルグルグルグルグルグルグルグル…
『除梗板』で8割の葡萄粒が、分離できるのよ、で残りは指で摘まみとるのね。マジで、今までアホみたく、29年ワイングラスをグルグルグルグル廻してきたけど、こんな作業があったなんて、衝撃でぶっ倒れそうだったし、こんな作業させてもらえて脳ミソがピンク色に紅潮したわ。
150kgくらい? 終わったら、それをバケツリレーで、容器に移すのね。原始時代と同じやり方だわ…
酸化が進まないように、二酸化炭素をドライアイスとして、容器にいれてたわよ。
そしたら、使った容器や道具を洗浄。クラフトビールや日本酒と同じ、雑菌は発酵を邪魔したり雑味や失敗に直結するからね。
ブルースさんがちょいっと来て「コマカイデスケド、洗浄シタミズガ、排水溝ニナガレヤスイヨウニ、作業シテネ」って。見た目アメリカン、中身は昭和の日本人じゃないの。
はぁ、大変だけど、心にグッとくる作業だったわ。さあ、北海道の一流コンビニ「セイコーマート」で買ってきた、「べーこんおかかおにぎり」「たらこおにぎり」でお昼ご飯よ。
あれ? 醸造所の二階のお昼ご飯スペースには…
老若混ぜ混ぜで、ワイナリーで働く人たちが熱く葡萄の育て方談義。北海道、熱いわ!
はい、更に幸せ。「ドメーヌアツシスズキ」の畑のツヴァイゲルト2014を、「10R」で醸造したボトル、うっとりドッキリ感動感激、人生で飲んだワインの中で超最高な旨さ、もうダメ、ダメダメ、あっふーん…
あヘアへのメロメロになって、この身を捧げる覚悟ができたところで午後の部、畑「森」での収穫だかんね。
醸造所を見下ろす丘の上に、美しい葡萄畑が。
ここも本当に美しい畑。風が吹き付けてて、とっても健康な葡萄が育ちそうじゃないのよ。
残り2列くらいの「ピノ・ノワール」と「ピノ・ムニエ」で、栽培責任者でブルースさんの奥さまの亮子さんが、「なにがなんでも、今日収穫終わらすかんね、絶体絶命だかんね」と至上命令。よーし、頑張ろう‼️
って… 昨日の「kondoヴィンヤード」は選果後回しで「とにかく収穫」だったから、サクサク収穫が進んだんだけど、今日は選果用のピンセットでカビとか腐敗した実を完全に破棄しながらだから、とにかく進めない。一房で3分はかかったもん。永遠に収穫終わらないって、真剣に絶望したかんね…
とにかく、灰カビ病や貴腐箘や、凄い葡萄は90%捨てるのもあって、心を無にして摘まみ取るの。切ないけど、「10R」さんの「ピノ・ノワール」には絶対必要な作業なんだから、やるの、やるのだ!
最初は「ピノ・ノワール」
とにかく、進まない、進めない。指示通りに、丁寧にハードに収穫と選果やるんだけど、ふっと見ると、1m進むのに数分どころじゃないんだから。
夏の高温で、こんな状況になっちゃったって伺ったけど、ピノ・ノワールは本当に難しい葡萄なのね。ゾクッとしちゃったわ。
みんな一生懸命、もちろんそれぞれのペースで。疲れちゃったら、ちょいと休憩するのも大人のお作法よ。
たまに、状態の良い葡萄があると、めっちゃ嬉しいのよ。
応援部隊も来て、永遠と思われた作業は… 「え、まだピノ・ムニエが残ってる!」と亮子さんの叫び…
「ピノ・ムニエ」も、かなり灰カビ病なんかにやられてて、すでに日は傾き、一部参加者からは「…無理でしょ」とのつぶやき。しかし、リーダー亮子から「絶対、ぜーーーったいに、今日中に終わらすかんね」と宣言、かっちょいい…
応援部隊がジャンジャン駆け付けてきて、一気に収穫が加速。
暗くなりかけたところで、収穫完了。これで、「10R」の畑の今年の収穫は、完了よ。やったね!
醸造所までは軽トラで。
最後に計量して…
って、これから夜に、『除梗』だって。収穫時期のワイナリーは、本当にハードワークなのね。色々勉強させていただいて、「10R」ワイナリーの皆さん、ありがとうございました。
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