ナチュラル過ぎる料理人たちと旅するバジリカータ・プーリア・カンパーニャ・ラツィオ・ヴァレダオスタ・ピエモンテ 2024秋 #8 Agliano➡Costigliole d’Asti

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ぐるめ

にゃー🐈️ ニャロです。

イタリア ピエモンテ州のワインって言ったら、ネームバリューで言ったらダントツで「バローロ」「バルバレスコ」なわけで。


30年前に毎晩眺めてた「世界の銘酒図鑑」にも、「バローロ=ワインの王様」って明記されてたし。ネッビオーロってブドウ使った赤ワイン。

でもでも、ピエモンテ州のナチュラルワインっていったら、ぶどう的にはバルベーラって赤ブドウが主役な気がするのって、僕だけ?
まるでフランス ボジョレーのガメイみたいに、ナチュラルな栽培・醸造になったとたん、とんでもなく美味しく変身しちゃう不思議な葡萄、バルベーラ。

地域的に、アルバって町を中心としたランゲ地方にバローロ村もバルバレスコ村もあるから、ドイツ人観光客含め人気があるのはランゲ地方(+ロエロ地方)。白トリュフ祭りのアルバも、スローフード運動発祥の地ブラも、ランゲ地方。

一方で、観光客はあまり見かけないし、とにかくド田舎なのが、アスティ近郊のモンフェラート地方。
今回のピエモンテ旅は実質「モンフェラート旅」。モンフェラートのバルベーラ旅。

これが、実際に最高だったんだけどね。


なんせ観光客が超少ないから、観光客狙いの飲食店も物販店もバールも無くって、とにかくド田舎。
だけど、美食大好きなピエモンテ人たちは、ちゃんと美味しい店を知ってて。特にCostigliole d’Astiなんて、ド田舎のちっさい村なのにレストランもワインバーもバッチリで。ウヒヒ。

で、バルベーラを主に栽培・ワイン造りしてる今回訪問した4つのワイナリーは、どれも感動的なワイナリーばっかり。訪問先を選んでくれたMシェフに感謝感謝。僕だったら、正直選ばないワイナリーばかりで。

その代表例が、午後に訪問したトリンケロ。


畑14ヘクタール持ってて、キュベ数もやたら多いし、ナチュラルを扱うレストランや酒屋さんで「どこでも見かける」系のワイナリーってイメージで。
また味わいも堅実というか、ワインバーで出せる艶っぽさもありつつ北イタリアのワインらしい穏やかさもあって食事ともバッチリ合うし。マメったりしないし、抜栓して1週間くらい置いてもヘタらないイメージで、明らかに飲食店でも使いやすい人気のワイナリー。

だからさ、勝手な妄想として、
「何人もヒト雇ってて、訪問しても広報担当さんに案内してもらう感じ?」、みたいな。

しかし、実際に現場現物を見ないと、わかんないことって多いのがイタリア。マジでビックリ。


でっかいお屋敷の前で待っててくれたMonicaさんに、門くぐった中庭で最初に聞いたのが、「今14ヘクタールの畑を持ってて、夫のEzioとワタシともう1人、3人でやってるの」って、マジかー!

収穫終わった晩秋の畑は、粘土質が多くてドロドロだったり、下草も露に濡れてビチョビチョになるけど、いい?ってんで畑にモニカさんとワンワンと一緒にお散歩に出発。

これがまた、すげー広いんだけど、すげー美しい丘になってて。お屋敷のある丘の斜面はほぼトリンケロの畑。

「うちの畑にはね、10種類くらいの葡萄が植わってて。あのへんはシャルドネ、あっちはアルネイス。この辺にグリニョリーノ…」
「1番多いのはバルベーラで、全体の半分くらい。区画を分けてて、あの辺のバルベーラは樹齢高くて収量少ないけどクオリティが1番高いの。あっちの斜面下のほうは水はけ良くなくて今ビチョビチョだから行かないけど、若いバルベーラ」
「今年は春から夏にかけて大雨が続いて、収量は例年の3割くらい、でも美味しい葡萄が収穫できたわよ」
「ランゲ、特にアルバ周辺のエリアは丘陵地帯っていっても高低差があって傾斜が強い畑もあるけど、モンフェラートは全般に丘陵地帯の傾斜が穏やかで標高も比べると低めね」

やっぱ個人的にピエモンテの丘陵地帯には思い入れがあるからか、美し過ぎる葡萄畑じゃんね。
ハッキリ言って、何時間でもお散歩してたい美しさ。うーん、痺れるじゃんね。

名残惜しいけど、お屋敷に戻って醸造所見せてもらって。こっちはEzioさんが案内してくれて。

「このでっかいコンクリートタンク、1基5000Lが4基あって、豊作の年は全部満杯なんだけど、今年は1基しか使ってなくってさ。そんな年もあるんだよなー」


「ステンレスタンクも使ってて、大樽使うキュベもあって、色々あるから試飲しよう」って試飲室へ。

好きなワイナリー訪問して、「どれ呑みたい?」って聞かれると、フリーズするじゃんね。マジで。
ってか、日本に入ってないキュベがあったり、すげーヤバいヴィンテージが抜栓されてたりしたら味見したいけど…
すんばらしいインポーター ヴィナイオータのおかげで、トリンケロのワインはナイスコンディションで日本で呑めるし…

ってゴニョゴニョ言ってたら、モニカさんが、
「うちの売りは、やっぱバルベーラなのよね」
「あ、今回僕ら、モンフェラートでバルベーラの造り手ばっかり廻る予定で」
「そうなのねー、じゃあ、うちの樹齢の若いバルベーラと、うちの1番の畑のVigna del Noceと、飲み比べしましょうよ」

えー、そりゃ申し訳ない、ってかありがたい。
案外、トリンケロのワインって、色々飲んではいるけど、バルベーラの色々なキュベの飲み比べってしたことないなー。
で、抜栓してもらったのは平均樹齢20年の畑のバルベーラ・ダスティ 2020と、ヴィーニャ・デル・ノーチェ 2016。こうなったら、しっかりテイスティングしちゃうしかないじゃんね。

ムム、こりゃ随分と違うねー。すでに美味しく飲めて柔らかさもエレガントさもある2020と比較すると、ヴィーニャ・デル・ノーチェ2016は超御馳走じゃんね。美味すぎ〜♥

そうなんだねー、収穫年も畑も葡萄自体も違うんだろけど、明らかに違うのは熟成感と樽香と一体感。バルベーラの香りや味のわかりやすさからすると、そんじょそこらのバローロやバルバレスコじゃ太刀打ち出来ない素晴らしさ。こりゃ参ったなー。

白トリュフだとかカルネクルーダとかならネッビオーロがいいかもしんないけど、ピエモンテの肉系ソースのパスタとか肉系煮込み料理には酸も果実味も厚さがあるバルベーラの、こうゆう上等なのが合うじゃんね、絶対。
いやー、勉強になったし、トリンケロ凄いなー。ますますディープにファンになっちゃった。

宿は、Asti近郊のクラシックなワイナリーがやってる民泊に3泊なんだけど、クルマ泊めやすくて最高。お湯もバッチリだし、部屋広くて荷物広げられるし。

そこからクルマで10分かからないのが、今回の旅を通してダントツお気に入りのCostigliole d’Asti。

今夜は、「RAISIN」掲載店のワインバー 兼 酒屋さんの「Vino & Bottega」で軽めの夕飯。

いい店じゃんね。まさにご近所のCase ColiniもTrincheroも色々ワイン置いてるし、パスタや肉料理は無いけど前菜系いろいろメニューあるし。

今日も明日もバルベーラだから、今夜はネッビオーロがいいなー、バローロかバルバレスコでもいいなー、ってんでマスターに相談して、Elio Sandriのバローロ 2015。
美味しいけど、さっき飲んだヴィーニャ デル ノーチェ2016のほうが好みというか、わかりやすく美味しいって思っちゃう僕。単純で良いじゃんね。

ここのバーニャカウダ、美味しくって。ってか、この時期のピエモンテって、どの店行ってもメニューにバーニャカウダがあるじゃんね。
ハッキリ行って、旅も12日目で、それなりにサラダ系や温野菜頼んで食べてるけど、圧倒的に日本より野菜系が少ないわけで。

このバーニャカウダはいいじゃんね、動物園のカバか象なった気分になるくらい野菜 野菜 野菜。だけど全然飽きないアンチョビニンニクソース。
そして、初めて食べたけど、まさかの「卵の黄身の追いかけ投入による味変」。ほへー。

まだまだ、ピエモンテには4泊するから、呑み喰いはいよいよ千秋楽に向けてラストスパートなんだけど、なんか胃袋リセットした気分。

さ、明日はAlessandriaの南、Ovadaのワイナリー「Borgatta」。行くのは2度目、御年87歳のエミリオさんに会うのは初めて。ドキドキじゃんね…

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