ナチュラル過ぎる料理人たちと旅するバジリカータ・プーリア・カンパーニャ・ラツィオ・ヴァレダオスタ・ピエモンテ 2024秋 #9 Costigliole d’Asti➡Ovada➡Alba➡Costigliole d’Asti

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ぐるめ

にゃー🐈️ ニャロです。

Ovada。


ピエモンテ州の南に端っこ、人口1万人の小さな町。


ちょい南に行けばリグーリア州。そう、州都がGenovaで、郷土料理ペースト(バジルソースのパスタとか)で高名な海沿いの州。

そのピエモンテ州オヴァーダにある、今日訪問するワイナリー「Borgatta」には、個人的にイワクがあってさ。

美味しいワインなんだよー、僕は凄い好き。


ワインバーやトラットリアで出てきたら、嬉しいワイン。カッコいい味じゃなくて、田舎っぽいというか、野暮ったいというか。
まさにイタリア、北イタリアの昔ながらの味。我が家のハウスワインにしても全然オッケーなナイスワイン。

でね、去年6月の北イタリア旅でさ。
モリオことモリオがね、「絶対ボルガッタ行きたいー!」って。
で、某SO SANのHさんは、「うーん、それより愛する息子をジェノヴァの水族館に連れてってやりたい」。

うん、確かにジェノヴァの水族館っていえば、イタリア最大、ヨーロッパでも最大級のグレートな水族館だし。
大人たちがキャッキャと呑み喰いする旅に強制同行してる十歳としては、ストレス大盛り。水族館くらい行きたいじゃんね。

で、僕。
僕は… 例のアプリ「RAISIN」掲載のトラットリアがピエモンテからジェノヴァに下る途中の山道にあって。「Baccicin dü Carü」ってオステリア。
ここに絶対行きたくって。
実際、世界最高のジェノベーゼソースの料理を、地元のナチュラルワインや最高に新鮮なシコイワシマリネや古代小麦のパンやパスタ食べれたから、悔いは無い、んだけど。

その日、我々はGoogleマップにも載ってない「ボルガッタ」目指して細い道路走ってて、で漸く看板見つけて、モリオを降ろしたわけ。
「ラインで連絡してねー、帰り道拾うからー」。

イタリア語力ほぼゼロのモリオをボルガッタに1人残し。
そして、自宅兼ワイナリーの二階ベランダから、奥様のマリア ルイーザさんが「待ちなさーい!」って叫ぶのを尻目に、
「すいませーん、僕らはジェノバに用事がー…」

当時、モリオがアポ取ったとき、5人で行くって伝えてたらしくて。そんなハナシじゃなかったけど、多分マリアさんはお昼ご飯の用意を…

で、リグーリアで旨いペーストやら食べて、海見て散策して、もう暗くなる直前にモリオをOvadaのカフェで拾って帰った、ってのが事の顛末。

で、今回一緒のMシェフ、「ワイナリーでさー、ご飯を御馳走になりたいんだよねー。難しいかなー。」ふむふむ。

初めて訪問するワイナリーでね、別にインポーターでも無いし、アポ取るときに「ご飯食べたし」なんて、言える?僕は、言えない。

で、思い出したのが「ボルガッタ」。マリアさんなら、お昼ご飯…

で、アポイント取ったんだけど。


そしたらエミリオさんから、
「イタリア語は話せるか?」
「パスタ・生ハム・サラミ・肉料理は食べれるか?」
って返信。うーむ、こりゃ、胃袋相当拡張させて訪問しないと…

ってわけで、Asti近郊からクルマで1時間、Ovadaの町からボルガッタへ。


Googleマップにも載ってないワイナリーだけど、去年Googleマップにマッピングしといたから、サクッと到着。
あー、懐かしい、逃げるように立ち去った坂道…

ピエモンテに限らず、丘陵地帯にあるワイナリーとかご自宅って、大概てっぺんにあるんだけど、ここは違うのよ。理由はあとでわかったんだけど、ボトル詰めした後の瓶熟のためのスペースが半地下というか、斜面を利用した倉庫になってて。なるほどねー、冷房無しで瓶熟させるためのロケーションなんだねー、へー。

最初にバルベーラとドルチェットの畑を見せてもらって。お家の周りに4ヘクタール弱、ナニが凄いって、78歳のエミリオさん、77歳のマリアさん2人で収穫まで全部やってるんだって。うそ~ん…

キャタピラ付きのトラクター駆使して、収穫だけじゃなく諸々の作業やってるお二人。エミリオさんの歩く速度はゆっくりだけど、背筋しゃきーん、カッコいい〜。

トラクターの補修のみならず補修部品作成まで旋盤とか使ってやっちゃってるエミリオさん。
プレス機、コンクリートタンク、ステンレスタンクを見せてもらって… 確かに木樽が、無い。

ボルガッタのワインを日本で飲む度に思ってたのが、「いかにもピエモンテらしい、古い大樽で熟成させてるから、この田舎っぽいというか、少しヒネたというか、味わいなんだろなー」って。
でも、去年モリオが1人乗り込んだ後で、「木樽全く無かったですー」って聞いて、嘘だろーって思ってたの。

で、コンクリートタンクもしくはステンレスタンクで醸造したら、瓶詰めして瓶熟成させて、出荷、なんだけど、年によって数年瓶熟させるボルガッタ。エミリオさんに聞いたら「瓶詰めしてすぐでもワインだけど、美味しいワインにするには熟成が必要なんだよ」、って。

うーん、そう… なの?って顔してたら、
「じゃあ、この瓶詰めしたばかりの2023と出荷開始してる2019、バルベーラ同士で飲み比べしよう。昼メシ食いながら」って。うわー、そりゃメッチャありがたい〜。ナゾ解きだー!

んで、傾斜に沿って半地下になってる倉庫の一部が瓶熟成庫になってんだけど。
あ、なんとなく…

訪問した11月頭、ピエモンテは例年より全然暖かいってか、直射日光が当たると半袖1枚で全然オッケーな日よりで。
扉開けてもらった瓶熟成庫の段ボールに、直射日光が…
エアコンの無い倉庫、真夏はソコソコ温度上がりそうだし、いくら半地下で扉閉めてても、瓶温度二十数度までは上がる、よね、そりゃそうよね。

熱劣化的な、劣化じゃないけど冬の10度以下と真夏の二十数度を数年繰り返してるのが、あのボルガッタのボルガッタらしい「大樽熟成してないのに、なんか熟成感が強い」味になってるんじゃないかなー、ってのが僕の予想。

んで、ご自宅のリビングで…

うわー、凄い大ご馳走!これが噂の… ママの味ならぬマリアさんの味。
ドカーンとサラミ、ドカーンとお手製ラビオリ、ドカーンドカーンドカーンと鳥のオーブン焼き、


よーし、こうなったら、食べるぞー。ってかどれもメッチャ美味しいし。美味しいから食べちゃうけど、鶏のオーブン焼きは10人前くらいあるから絶対食べきれないけどー。

そんなありがたいお食事をいただきながら、ドルチェットの2019と2021、バルベーラの2019と2023を飲ませてもらって。
マジで面白かったんだけど、瓶詰めしたてのバルベーラ2023はクリーンというか、いわゆるボルガッタ的な味じゃなくて。
バルベーラらしい特徴の香り、味で、柔らかいけど熟成感というかヒネた感じはゼロ。

2019は、日本で呑むボルガッタの味そのもの。
理由は不明だけど、色々と感じることができて良かったし。

でもナニより、こんな素敵なご夫婦が、ここで生活しながら2人で葡萄作って美味しいワイン作ってて、それを日本で飲めるってことが、なんか上手く言えないけど、グッと来たというか。
まだまだお元気なお二人だし、絶対また会えるって思ってオイトマして。

んで、初ピエモンテのMシェフにアルバの白トリュフ祭りを見せたくて、クルマで1時間ちょいのアルバへ。

着いたのは17:00ちょい前、Albaは人口3万人のまあまあ大きめな町で、町外れの無料駐車場に停めて散策へ。
白トリュフ祭り会場に入らなくても、旧市街の大通りにはそこら中に白トリュフ屋台。

美食の街だもんね、そこら中にグルメ惣菜屋とか高級カトラリー屋さんがあって、白トリュフの時期が稼ぎ時。
寒い屋台に立たされてる若い子、ノルマ何個なんだろ…
今年は豊作のフレッシュポルチーニが安くみえる…

アルバにも何件か、アプリ「RAISIN」掲載店があるんだけど、その日はどれも定休日で。
スゴスゴとCostigliole d’Astiに戻って、夕飯は「Enoteca Caffè Roma」へ。

いいよね~、普通にCase Colini置いてる店だらけのCostigliole d’Asti。
明日はいよいよCase Colini訪問だし、飲んだことないネッビオーロ100%のキュベ「Centin 2017」で軽めの夕飯。

美味しいんだよなぁ…

日本で呑む機会が何回かあった「Vinaiota」ってキュベとか、どかんとボリュームあって、やや甘さも感じて、すごい熟成期間が必要な造り手なのかなーって思ってたし。
新宿のイベントでちょびっとだけ味見できた1997の「Bricco」は素晴らしいお味になってたし、2010の「Barla」はまだまだ全然ヤングなお味だったし。

Centin 2017、ネッビオーロだからなのかわかんないけど、優しい柔らかさと緻密な果汁感が既に素晴らしく美味しいし、ウサギのレバーとかも入ったウサギソースのパスタにもメチャ合うし。
うーん、明日は色々とナゾ解きしないとなぁ。

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