急遽、5月のシチリアを旅することにしたもんで #6 最高に大好きなワイナリー『Vino di Anna』訪問

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ぐるめ

にゃー🐈 ニャロです。

今回のシチリア『旅』で一番楽しみなのが、めちゃんこラブなワインの造り手「Vino di Anna」訪問なのよね。想像するだけでウキウキが止まらないんだけど。

単に「美味しい」ワインっていったら、それこそ極右政党が躍進してきたフランス国の銘醸地ジュラだったりアルザスだったり、ロワールやローヌだったり、更には東欧のチェコやらハンガリーやら、「こりゃ凄いワインだねぇ…」ってワイナリーはいくつかあるけどさ。

なんだろね、僕はイタリアンのカメリエーレ業だった時代が最高にご機嫌だったし、どうしてもワインと料理をセットで見ちゃうというか、やっぱイタリアが特別に好きみたいで。「日本ワイン以外で自分にとって最高に大好きなワイナリー」っていったら、イタリアの、
・Bressan(フリウリ=ヴェネツィア・ ジュリア州)
・Canonica(ピエモンテ州)
・Vino di Anna(シチリア州)
の3つなのよね。でへへ…

日本ワインでは勿論、空知のkondo vineyard(北海道)なんだけど、別にワイン雑誌の点数で決めたわけじゃないし、単なる好みの問題だから、深い理由はないんだけど。

ブレッサンとカノニカには、去年6月の北イタリア『旅』で訪問できて。フルヴィオさんともカノニカさんともお話できて、ますます彼らのワインの味わいがね、そりゃそうなんだけど、特別になるわけよね。ただでさえ素晴らしく美味しいワインに、ノスタルジックな香りが加わっちゃうかんね。

僕にとって、ワインって、舌や口内で感じる味わいとか、鼻腔で味わう香りだけじゃなくって、脳内に記憶されてる色んな情報も一緒になっちゃってて。ってか、飲み物食い物って、誰しもそんな感じだと思うんだけど。

暑い夏に汗掻いて、キンキンに冷えたビールを飲むじゃん。ビールが口に入る前から「くぅ~!」ってなるじゃん。パブロフの犬みたく。

「ブルゴーニュのガメイだよ」って聞いてから飲むのと、ナニも聞かずに飲むのでは、絶対に感じる味って違うし、そもそもグラスに見えるワインの色で飲む前から色々想像するじゃんね。「濃いなぁ、濃厚で渋み強そうだなぁ」とか「薄っすら薄旨っぽいじゃん」とか。それと一緒でさ。

何度も行ったピエモンテ州のアルバ周辺とか、あの美しい丘陵地帯葡萄畑だったり、名産の白トリュフとか、郷土料理のカルネクルードやタリヤんだったり、過去に呑んだネッビオーロだったりを想いながら呑むのって、やっぱナニも知らない土地のワインを呑むのと、そりゃ妄想の次元が異なるわけで。

チェコなんてプラハのビールが旨かった記憶くらいだし、ハンガリーなんてブダペストの美しい景色は覚えてるけど、当時はハンガリーワイン=「雄牛の血」とか「トカイ甘口」とかくらいで。今や素晴らしく美味しいワインがいくつもあるのは承知してるけど、そこに自分個人的な思い入れは…

まあいいじゃん。「蓼食う虫も好きずき」っていうし。兎にも角にも、エトナのVino di Anna訪問できるってんだから、既にハッピーなわけで。

B&B宿のあるLinguaglossaからVino di Annaのあるエトナ北部のSolicchiata村までクルマで15分。エトナ山頂に残る雪。3000m級だもんね、エトナ山。


なかなか細い道沿いに、ワイナリー発見。

え、ってかアンナさんじゃん!?門開けてくれて、入って来いって。

ほへー、なんか、「今日は子供たちがスペインに修学旅行で、時間あるからじっくりアンナが案内するわね」、って。ドビーン、ガチョーン!!

いやさぁ、元々は2ヘクタールちょいの畑を小規模にやってる造り手さんだって聞いてたんだけど、ホームページ経由でアポイントとったときに「近所のお手伝いさんたちも畑仕事に参加してて、今は畑が約7ヘクタール」って。んだから、昨日のコーネリッセンみたく、どなたかに案内してもらうもんだと思ってたからさ。嬉しいじゃんね、直接アンナさんと話できるなんてさ。

アンナさんはオーストラリア人、だから会話は英語。そりゃね、細かいニュアンスなんかもわかりやすいから、いいじゃんね。

ってわけで、早速ワイナリーに面した2つの畑を案内してもらったんだけど。事前勉強で飲んで最高に気に入っちゃった「ROSSO CR 2016」

の畑じゃんね。アンナさんたちが開墾して植えたCrasaの畑と、買い取ったJulesの畑。どっちもアルベレッロ仕立てじゃんね。

エトナ山を取り囲む村々を繋ぐ生活道路が標高約800m弱で、その少し外側のアンナさんたちのワイナリーは標高750mくらい。昨日行ったコーネリッセンさんとこのバルバベッキの畑は900mだから、雰囲気的にもアソコよりは標高が低いって感じだけど、なんせ5月末のお昼前だかんね。夜になればゾクッと冷えるんだろね。

アンナさんたちの畑の管理も、基本的にはコーネリッセンさんとこと同じで、剪定しないで伸びてきたツルや枝はポニーテールみたくガバっと巻きつけるだけ、なんだって。なんとも美しい畑じゃんね、比べる畑がバルバベッキだけなもんで、なんともわかんないけど、なんか可愛らしい雰囲気。

でも、この後にワイナリーで見せてもらった開墾当時の写真をみると、なんとも迫力じゃんね。木を抜いて、段々畑を作って火山岩積み上げて。そして一本一本のブドウの木の形が全然違ってて。

「毎年の天候やらで、毎年の生育が木ごとに異なるから、こんな不思議な木の形なのよね、フフフ」って。しかしまぁ、健康そのものの葉っぱだらけだし、土はふわふわサラサラでコーネリッセンさんとこと似てる感じの火山岩土壌。

やっぱここは、わかんないことは聞くしかないじゃんね。「アルベレッロ仕立てって、あまり見たことがないんだけど、どうゆう良さがあるの?」

「私はね、大地のパワーと太陽のパワー、ブドウの木のパワーをね、最大限活かせるのがアルベレッロ仕立てだと思うの。一本づつ木を植えてるから、手間はいわゆるワイヤーを張って列に揃える仕立てよりかかるし、収量はとても少なくなるけど、木の周り360度どこから陽が当たっても太陽のパワーを受け取れるし、上からは太陽が、根は水を求めて下伸びて、その間にあるブドウの木は下から上方向に真っすぐ伸びて、太陽と木と土壌が一直線になるわけ。この形は、大地のパワーと太陽のパワー、ブドウの木のパワーをね、最大限活かせる形だと思うの。素敵でしょ?」

うーむ、素敵過ぎる… 思わず泣いてしまいそう。理由はわかんないけど、この美し過ぎる畑とアンナさんを目の前にして、こんな話を聞いてると、アレじゃんね。グッと来ちゃうじゃんね。ヤベーなー…

「病害とか獣害、虫害は?」
「ほぼ無いけど、やっぱ天候がね。ここ数年は雨続きだったり晴れ続きだったりが多くて。ここは今年は今のところ順調だけど、南部にオッキピンティから『3ヶ月雨が全然降らない、ヤバい!』ってついこないだ連絡があって。お天気はどうしようもないからねぇ」
「パレルモからクルマで走ってる途中の畑で、灌漑設備のあるブドウ畑もあったけど…」
「造り手の考え方次第だけど、ウチの木は充分根が深いのもあって、少々日照り続きでも灌漑設備とか無しで今んとこ問題無し。開花時期や収穫時期じゃなければ、多少の大雨続きでも、この辺の土壌は吸水性が凄いからあっとゆうまに乾いちゃうし」
そうなんだよねぇ、川が無いんだよね、エトナ北部を何往復かしてるんだけど橋が無いんだよなぁ。

んで、醸造所へ。

なんか、元々あったブドウ畑に古い納屋というか建物があって、それを修繕改築したらしいんだけど。

このプレス機がいいじゃんね。

コーネリッセンさんとこは水平式の最新マシンだったけど、この木枠のアンティーク感バリバリの縦型旧式プレス機。3回聞いちゃったもん、
「ホントにコレ?」
「ええ、全然問題無いわよ」

元々あったコンクリートタンクも活用してるんだって。アブルッツォで散々見てきたコンクリートタンク、田舎感があるじゃんね。

あ、除梗する木枠の!空知システムと同じ手作りじゃん。なんかシンパシー感じちゃう。

そして、大型の古い木樽。僕が呑んだROSSO CR 2016にも使ってるんだって。新樽香がちょい苦手な僕には嬉しい古い樽。ほぼ樽感無かったしなぁ。ラブリーじゃんね。

んで、クグヴェリ。

アンナさん、結構クグヴェリ好きみたいで、何種類もクグヴェリ使った赤ワイン作ってて。そのうち1種類「Q1000 Tartaraci」だけ事前勉強したんだけど、「ROSSO CR」に溢れてた溌剌とした酸味とか軽やかな赤いフルーツっぽい感じと全然違う穏やかな感じで。正直、クグヴェリじゃないほうが好きかな〜って思ってた… って白状したら、

「じゃ、飲んでみて」ってことで。畑を目の前に4本も。えぇ?どれも開いてないじゃん… なんか申し訳無いじゃん…

いやいや、ええ?いいの?なんか…

「今日は気持ちいい日だし、飲みましょう!」、はい、気持ちいい日なので飲みます。

エリックさんも合流して、試飲。ってか、飲み会。唯一、試飲っぽかったのは、クグヴェリ熟成の「ROSSO QVEVRI “R”」。あれれ、日本で事前勉強したクグヴェリ熟成の「Q1000 Tartaraci」で感じた樹脂っぽい匂いが無いし、溌剌とした酸や酸っぱいベリーみたいな味わいだし。うーん、瓶差なのかなぁ… とにかくどれも好みでどれも美味しくって、でもでも。

お話するのが楽しいじゃんね。お二人が、ここでの生活がめっちゃ気に入ってることとか、近所で気になってる造り手さんの話とか。

そういや、北海道の雪に埋もれて冬を過ごすブドウの木の話したら、「是非訪問したい!」って。そんときゃフルアテンドして、札幌で「ばんなちゅ」連れていかないとなぁ…

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