にゃー🐈 ニャロです。
さぁ、いよいよアブルッツォに来た最大の目的、横浜「マッジョ」のさっちゃんシェフが修行したリストランテ「Villa Maiella」でお食事だかんね。ワクワクだかんね。
事前にメールのやり取りで予約したんだけど、この週で予約できたのが、この日曜のお昼だけ。
ミシュランの星取って、ますます繁盛してんのかしら。庶民の僕にはミシュラン☆のお店なんて超久しぶり。アルザスの☆☆のお店に25年前に行ったのが最後だったかなぁ…
ここ「Villa Maiella」が☆獲ったのは最近らしいんだけど、昔も今もファミリー経営のリストランテで、宿もやってるんだって。さっちゃんシェフが「是非泊まって〜!」ってオススメしてくれたんだけど、宿も予約で満杯だし、村から外れた一軒宿だし、村の中心部の民泊(シャワー無し)が僕にはお似合いなんだけど。
そんな村の中心部からノンビリ歩いて25分、
Googleマップが無いと不安になる一本道をひたすら歩くと、
ん?
ここじゃんね。なんだかミシュラン☆って感じの外観じゃない、ファンシーな看板じゃんね。
お店の前は、山々。なかなかワイルドな立地のホテル&レストランじゃんね。
でも、一歩入ると、ピッカピカ。流石は☆のリストランテ。「開店時間まで、こちらでお待ちください〜」ってロビーには、
怪しい埋込型の暖炉。まさか、ミシュランの☆獲った記念に造ったのかしら?
セラーには、結構フランスものが多く見えたような… ナチュール置いてるかなぁ…
さっちゃんの紹介で来たんだよ、ってテーブルまで案内してくれたカメリエーレのジャンニさんに言ったら、「おー、サツキ元気かー?サツキのことなら誕生日まで覚えてるぜ」って。そうなんだね〜。
えらく広々したホールの広々した丸テーブルに案内されて、「食前酒は?」って。ワインリストは最近流行りのバーコード方式。
メニューは、迫力の115ユーロコースと95ユーロコース。より郷土料理っぽい料理名が多い95ユーロコースにしたんだけど。
7皿のコースに7杯のワインがついて、165ユーロ。それに、115ユーロコースの「栗のスープ」を追加してもらったり、チーズも食べて最後にサイフォンのスペシャリティコーヒー頼んだりしたのに、諸々込み込みで185ユーロ。ちょっとビックリ。ちょっとサービスしてもらったっぽいかも… にしても、安すぎ。
だってさ、僕がドイツ駐在してた頃って1ユーロ=80円まで下がったりしたし、今のレートがざっくり1ユーロ=160円っつったってさー、そんなのアレだし。こんな「大人のディズニーランド」みたいな場所で散々楽しく飲み食いして… アブルッツォ恐るべし。
ホールのかどっこの丸テーブルに一番乗りして、食前酒は無しでガス水を頼んだら、
なんだか、貴族階級向けっぽいミネラルウォーター登場。いいね、いいね~。
で、食前酒 兼 最初の泡ワイン。
僕はかなり感動したんだけど、コースに合わせたグラスワイン頼んだら、恰幅のいいソムリエおじさんが来たから、「もし可能なら、全部ナチュラルワインでお願いしたいんだけど…」ってお願いしたの。
そしたら、あっさり「オッケー」って。んで、「アブルッツォのワインだけにする?イタリア全土、海外のワインも入れていいにする?」って。ううう、嬉しいよ〜!
このシェフソムリエールのおじさんが、支配人かつオーナーの息子さん。今日のワインセレクトはお見事で楽しかったし、愛があるオーナーファミリーがワイン選んでるリストランテって、いいよね~。
いかにも「ミシュラン☆」的な突き出し5種。石の上に乗ってるのは、
「透明なブルスケッタ」、だって。中にバター、上にグアンチャーレ。うーん、うーん…
でっかい丸テーブルの真ん中にポツンとグラス、スプーン。なんだかさっぱりわかんなかったんだけど、
おおおー、昨日訪問したTommasoさんのオリーブオイルじゃん。なるほど〜!
自家製パン3種に、Tommasoさんのオリーブオイル垂らしたら、止まんなくなっちゃうじゃんね。
段々テーブルが埋まりだして、やっぱ満席なんだねー。
2杯目は…
これまた嬉しい、昨日訪問したDE FERMOの白ワインじゃんね。
アブルッツォの白ワイン… ってことは…
なるほど〜、メニューで気になってた「ペコリーノチーズのお風呂に浸かったじゃがいものキタッラ」、独創的かつアブルッツォを強烈に感じさせるこのお皿に、ペコリーノ種主体のアブルッツォの白ワイン、気持ち上がっちゃうじゃんね。
どうやってキタッラパスタみたくじゃがいもをカットしてんだか知らないけど、茹で加減完璧、全然折れないけど生じゃ無いポテト。そして羊王国の羊チーズのソース。ヒデキ感激。
3杯目もアブルッツォの醸しの白ワイン。これと合わせたのが、
豚さんアタマ肉のハム、下には…
ピスタチオのソース。そして、
自家農場で育ててる黒豚で自家製のハムサラミ。なかなか色々やってるリストランテじゃんね。地元の醸し白ワインをハムサラミに合わせるあたりもニクいじゃんね、肉だけに。
ミシュラン☆取るくらいだから、色々としっかりしてんのよね。ワイングラスはitalesseの手吹きタイプ、高そう…
白にも赤にもピッタリ、エレガントかつ味わいも考慮した良いグラスじゃんね。
おお、4杯目は、またアブルッツォのワインだねー。Cerasuoloじゃんね。
ピノ・ノワールの赤ワインより濃いロゼ、チェラスオーロと合わせるのは、
出た、謎の球体。なんかの揚げ物かと思ったら、
空洞。
さっちゃんシェフに教えて貰ったんだけど、
へー、へー、そうなんだねー。優しいお味で、トマトソースとチェラスオーロは鉄壁の相性だしねー。
アブルッツォのワインが続くじゃんね、5杯目は思いっきり醸した白、というかオレンジ。
今日飲んだアブルッツォのワインで一番エレガントで呑み止まらないスムーズなワイン。こんだけ醸してんのにDOC Trebbiano dAbruzzo認証されてんのが面白いねー。
合わせるのは、
コースに追加してもらった、ほぼ泡みたいな栗のスープ。
ちっさいパスタが沈んでて、味わいは軽やかに優しい、決して濃厚じゃない栗の風味を味わうスープ。リストランテっぽいなー。
盛り上がってきたじゃんね、デート客に宴会客、車椅子のお客さんも何の問題もなく楽しんでて。オーナーっぽいおじいちゃんが全テーブルくまなく回ってハナシしてるねー、いい空気のリストランテだねー。
次はパスタ、スープパスタなんだけど、
田舎っぽいよねー。結構ダシも塩気もしっかりしてて、
謎の短冊みたいなパスタとアサリの剥き身っぽいのが。アサリだから白ワインかと思ったら…
このスープ、Sagnetteなる手打ちパスタを揚げたラルド(豚さんの脂身の生ハム)とアサリでダシとってて、
なんと6杯目はフランス ローヌのグラムノン、の軽やかなグルナッシュの赤ワイン。
これは、料理とワインのマッチングって視点ではピカ一驚いたし美味しい組だったわ。
支配人 兼 ソムリエールのパスカルおじさん、やるじゃんね。
さ、楽しいねー。まだまだコースは続くわけで、次は7杯目。
あら、またアブルッツォのワインに戻ったけど、色合いからもどっしりパワフルっぽい赤ワインモンテプルチャーノ・ダブルッツォじゃんね。
これと合わせるのが、
子羊を使ったキタッラのトマトソース、燻製リコッタチーズがどっちゃりのってて。
ミシュラン☆のリストランテで、こうゆう郷土料理ど真ん中、だけどキタッラ麺は人生史上最高に洗練されてて素晴らしく美味しいし、ソースはアブルッツォ風だけど大人羊じゃないから軽やかだし。このパスタだけなら、麺3kg食べれる、ってか食べたい。
こないだ6月に北イタリアピアチェンツァの「Ostreria fratelli Pavesi」で食べたチョウザメソースの手打ち麺も素晴らしかったけど、今年食べたパスタの中で双璧ね。ワンダホー!
あ、なんか晴れてきた。
夏は全席テラスなんだって。マイエッラ山を眺めながらのお食事、ゴージャスじゃんね。
さ、次がメインのお肉料理。たしかメニューには「タイム風味の子羊」って書いてあったけど、パスカルおじさんワインどうすんだろ?また連発でモンテプルチャーノ・ダブルッツォ?
うひぃーーーーー!僕が世界で一番好きな造り手の一つ、フルヴィオさまのBRESSANじゃん!これは痺れるじゃんね。
8杯目は、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州のBRESSAN Schioppettinoじゃんね。エレガントだけど漢方薬みたいな樽香、スルスル呑み進んじゃう優しさ。これと合わせる子羊さんは、
極めてシンプル、妖しげなネギ類が乗っかってるけど、なんともお上品なアニェッロだわ。
付け合わせのプチサラダはいいとして、
この組み合わせも嬉しいじゃんね。「美味しい」を突き抜けた「ただただ嬉しい」、恐らく相当気持ち悪い顔して僕は子羊とBRESSANを楽しんでた、はず。
ふーふー、まだまだ食べれるけど、まあまあ酩酊してきたかも。でも帰りは歩きだし、パスカルさんが「チーズどうする?」って。
うわー、これぞリストランテのチーズワゴン。そしてBRESSANも残してあるし、
「チャイチーなサイズで…」ってお願いしたんだけど、「そっかー、サツキは自分の店やってるんだな、いいないいな」って大喜びのパスカルおじさんにとっての「ピッコロ」は、
当然、こんな感じ。
んで、めっちゃ面白かったのが、
「オレ(ソムリエールのパスカルおじさん)のオススメの飲み物でいいか?」
「いいよ、ナニ?」
「これなんだけど…」
うわー!やるなー、パスカルおじさん。まさかのベルギーのランビックビールじゃん!
「いいねいいね、僕も、濃厚な旨味のチーズと赤ワインの組み合わせって、どっちも強過ぎて破壊的だなーって思ってたの」
「そうなんだよ、ランビックビールは酸味で切れ味が抜群だから、異なるチーズを味わうときのお供にいいと思ってさ」
トロトロのエポワスなんかに素晴らしい繊細なワイン合わせたら、ワインの味わいなんてわかるわけないし。パスカルおじさん、やるじゃんね。
ふー、結構食べたし。
ナプキンまでレースが入った高級仕様。シャワーすら無い貧乏宿に泊まってるなんて絶対言えない雰囲気。
ここでまたパスカルおじさんが「ドルチェに合わせるワインだけ、ナチュールじゃなくっていいか?」って。
もう強い信頼感があるから、当然「もっちろん!」。んで出てきた10杯目は…
うわー、ソーテルヌ!何年、いや何十年ぶりだろ。
ドルチェは、リストランテらしく果物にリンゴの焼き菓子、そしてかぼちゃとチョコレートのお菓子。
ホッとするリンゴの焼き菓子、
うーん、この子にはソーテルヌは強過ぎ…
これ⬆、どこがかぼちゃ?
あー、歯応え残したかぼちゃの薄切りを軽く火入れしたのを乗せたチョコレートケーキだ。これにソーテルヌ合わせたかったんだね、パスカルおじさん。
個人的には、より田舎っぽさもある、レチョートとか、アンジョリーノおじさんのRESTOとかがより合うと思うなー。
結構、お客さんたちお帰りじゃん。
そりゃそーだ、もう夕焼け… 何時間ここで飲み食いしてんだろ。
食後のコーヒーはロビーで、だって。シェフに挨拶しよーっと。
オーナーのおじいちゃんの息子さんたちが支配人のパスカルおじさんとシェフのArcangeloさん。うわー、もろ家族経営じゃん。
結構お客さん多くて満席だったのに、サクサクお料理が出てきたから、「厨房何人いるの?」って聞いたら、「アシスタント含め5人だよ」って。すっげーピッカピカで広々したキッチン。
カメリエーレのジャンニさん、
にロビーに案内されて、
もうグラッパとかアマーロとか食後酒は残念ながら無理。コーヒーどうするかって、メニューみてたら、
… 「サイフォン」「GEISHA」、なんだかイタリアも度量が大きいというか、スペシャリティコーヒーの波はきてんのね。
プチフールをつまんで、
パスカルさん自らサイフォンでコーヒー入れてくれて。恐らく地元アブルッツォのイタリア人オバサンたち大集合。「なにこれ?」「え、コーヒー?うそーん、ウケる〜」みたいな。
アブルッツォで呑むGEISHA、なんとも面白いねー、普通に美味しいし。
ここでオーナーのPeppinoさん登場。最初の一言目が「オレのサツキは元気か?」って。
記念にマッジョTシャツ持ってもらって写真取ってもらったら、「いいねー、サツキの店のTシャツありがとなー」って、持って行っちゃった… さっちゃんシェフも喜ぶだろし、まあ良いでしょう。
すっかり真っ暗、さ、フラフラと千鳥足で宿まで帰るわよ。さすがにオオカミは出ない、わよね?
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