にゃー🐈️ ニャロです。
二日目最後の葡萄畑訪問は、『松原農園』の主 松原さん。60才過ぎてファーマーなのは、隆々とした肩を見れば強烈に伝わってくるじゃんね。
ここ『松原農園』のワインは飲んだこと無かったんだけど、今回訪問してお話を聞いた13の生産者さんの中でもグッときた一人なの。
なんてったって、この土地で29年前(1993年! 20世紀末)からワイン用葡萄作ってきたおじ様なんだもん。言葉の重みが半端ない、でも質問する間もないマシンガントーク。
めっちゃワイン飲みたくって、直売で三本買って早速一本飲んだ(ミュラートゥルガウ2020)んだけど、スルスルごくごく。2日で飲みきっちゃったの。
ワイングラスをグルグル回して楽しむってより、日常の食事にとっても万能に合うなぁ、って美味しかったわ。手作り皮の水餃子とか、キャベツのニョクマム油炒めとかとバッチリな相性だったもん。
松原さんの「とにかく収量を」っていう視点での、29年間のリアルに基づくお話は、本当に痺れたわ。
〈松原さんのお話〉
ほとんどミュラートゥルガウを植えている。昔、育てやすくて流行った品種だが、ドイツ品種は雨に弱い。
ケルナーのほうがミュラートゥルガウよりも糖度があがる。ミュラートゥルガウは糖度が18くらいが上限で、病気も弱いので、余市ではケルナーが増えている。
ミュラートゥルガウは、甘熟させなくてもワインとして面白いのがメリットだと思う。フレッシュ感、酸があって、病気になりにくい。糖度が低いことはデメリットじゃないと思う。藤堂16度で充分美味しいし 青臭さが美味しいアクセントになる。
蘭越は秋に霜が下りないので、葡萄収穫後に二ヶ月間 葉っぱが樹に残っている。それは、翌年の葡萄の生育のための栄養を貯めることになるので、良い点だと思う。
ミュラートゥルガウという品種は、酸が落ちやすい。秋に充分な寒暖差がないと酸が落ちる。空知は秋に気温が寒いから酸が残るが、余市は秋温かいので、葡萄の量を取るには向いてるが、酸を残したいミュラートゥルガウには向いてないと思う。
蘭越は盆地で寒い。秋に気温が低いけど霜が下りるのが遅いので、葡萄畑にいいと思った。
自分目指すのは、程よい酸味があって軽やかなテーブルワイン。喰ってくためには葡萄の収量が大事。
ほとんどが個人向け。全体の1割が酒販店、飲食店向け。
今年は葡萄の実が小粒で量が多いので、ちょうどいいと思ってる。実が病気になっても移り難いので、ゆるい実なりが好き。
ミュラートゥルガウ栽培に無農薬は無理だと思うが、自分は使用量を抑えたい。でも、病気が増えるとつまらないので最低限は使う。
もう60代、娘たちが帰ってきて手伝って暮れるようになったので、もう少し楽にほどほどでやりたい。
ゲヴェルツトラミネールを少し植えてる。
量はとれないけど、葡萄の質はとてもいいので、ワインの個性も出せるし、ブレンドでゲヴェルツ1に対してミュラー3のようにしていきたい。ゲヴェルツトラミネールは比較的手間もかからないし病気に強いし長寿。
ワイン醸造農家業は、葡萄栽培が軌道に乗れば30年間は小さい追加投資で継続できるは商売なので、長寿のゲヴェルツトラミネールはいい葡萄だと思う。
ナイアガラも力をいれ始めている。二木の買い葡萄でスパークリングワインを作っていて、案外美味しい。しかも、めちゃくちゃ手がかからない。
蘭越の畑で、ナイアガラの自家栽培を始めてる。
山梨県の甲州と同じで、手間がかからず量がとれる品種があると商売として良いと思う。
(来年から蘭越がワイン特区になることについて)ワイン特区自体は簡単、ワイン特区免許取得には地元の果物がないと難しい。
収穫に向けて、これからの1週間が勝負。 余市より蘭越のヴェレゾンは1週間遅い。今年は遅い。これからドサっと雨が続くと葡萄の実が割れる。もうこれからは下草を刈らない。葡萄に水を吸わせないため。
有機肥料を収量増加のために使っているが、使い方が難しい。肥料の量を増やしすぎると病気になる。
奥様から、ここ直売所限定販売のミュラートゥルガウ スパークリングとか三本購入して、
蘭越の「道の駅」には何種類か「蘭越米」販売してたけど、「無農薬米」や「減農薬米・特別栽培米」は売ってなかったね。そんなもんだよね…
さ、札幌のホテルに移動して、ススキノの夜をパトロールしないと…
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