にゃー🐈 ニャロです。
ふふふ…
つい一人で笑っちゃうわよね。だって、もう春でしょ。
苦手な寒い冬が終われば、ハッピーしか無い春が来て、情熱蒸れ蒸れアチチな夏、更には美味しいものだらけで気温もハイ 気分もハイな秋。当面、ハッピーな季節の連続が保証されてんだから、つい笑っちゃうわけ。
気温が10度を越えると、自然なワインの最適温度に近付いてくるから、クイクイ呑んじゃうじゃんね。
なんかさー、「自然なワイン」って、一人呑んでも仲間や見知らぬお隣さんと呑んでも、美味しく楽しいし、何も産地や造り手さんのことを知らなくても美味しいし、色々知っちゃうと8倍美味しかったり興奮したり、面白いのよね。
自動車部品だって、単に見積りの価格と部品番号しか知らなくてもサラリーマンは仕事できちゃうけど、素材や部材や製造方法、組み立て現場の空気やリアルな歩留まりを知ってるほうが、プロいじゃんね。
食べ物 飲み物 何でもそうなんだろうけど、特に農作物は種や苗だったり、土だったり、産地の気候だったり、栽培者さんの知識や考え方だったり醸造方法だったり、その畑への情熱や愛情だったり、知れば知るほどアレなのよね。
色んな農作物や加工品がある中で、特にワインやビールや日本酒みたいな「醸造酒」は、原料の葡萄や麦・ホップお米の実力がお酒の味・香りにドカーンと反映されちゃうわけなんだけど、特に嗜好品として桁違いな誘惑力があるのがワイン。
特に「自然な造りのワイン」は、新樽だったり活性炭での濾過だったり過剰な亜硫酸添加だったりの「厚化粧」「矯正的醸造」と違って、素っ裸な味わい。ああ、だから素晴らしい「自然なワイン」って、エロチックな香りに満ちてるのかしら…
ワインって、僕的には「臭覚と味覚と脳ミソと感性」で味わう飲み物だから、そうゆう知識や経験やストーリーが、味わいや喜びを増加させちゃう恐ろしい魔性の飲み物なの。
ワイン以外で、「おお、おおおお!」って叫びながらグラスをぐるぐる廻して廻して、思いを口から出したくなる飲み物、他に無いじゃん。
ってわけで、機会があれば現場に急行するのはシェフもサラリーマンも呑みリーマンも呑みサーファーも一緒。さあ、南アルプス市に向けて出発よ!
北鎌倉のお殿様たちに早朝の引地川河口でピックアップしていただいて、一路 山梨県へ。
圏央道から中央道、なんか、やたら速いわね。あっとゆうまに真っ白な南アルプスの尾根が見えてきちゃったじゃん。なんか、北イタリア トリノの街からアルバやブラに向かってるみたいで、気分が揚がるわぁ。
今回、お伺いしたのは、山梨県 南アルプス市に畑と醸造所を構える『ドメーヌ ヒデ』。お殿様たちにお誘いいただいて感謝だわ。
『ドメーヌ ヒデ』の醸造家 渋谷英雄さん、ヒデさんは、色んなこだわりがあるユニークなおじさん。お話聞いてると、面白いしユニークだしロジカルだし、お会いできて良かったわ。
保有してる畑には、基本的にベリーAを植えてるんだって。50歳でワイン造り始めて、ビオディナミな葡萄とワイン造りだなんて、なんてナウいおじさんなんだろ。カッチョいいじゃんね。
オフィスには月の満ち欠けカレンダーがあって、畑作業も醸造作業も潮の満ち引きでやってるんだって。ひょえー!
今回、お手伝いさせてもらうのは、「剪定」で切った枝の撤去なんだけど、その「剪定」も、月の満ち欠けでやるんだって。切った断面に病気予防の薬品を塗らなくて済むように、潮が満ちる時間に「剪定」作業するんだって。ムム。オカルトじゃないんだかんね、ちゃんとロジックも裏付けもある、自然の神秘。
朝の満潮タイミングで、すでにヒデさんが「剪定」完了済み。伐らずに残す二本の枝以外は切断してあって、その切断した不要な枝を垣根から引っ張り剥がして、畑の外に枝を運んでまとめる、ってのが今回のミッション。難易度的には、幼稚園児級。体力的には、中学生級なの。
今回お伺いしたベリーAの畑は、標高600mって記憶してんだけど、東向きの景色最高な斜面。
背後に聳えるのが甲斐駒ヶ岳と北岳。正面に甲府盆地。風が吹き抜ける東向き斜面で、寒暖差も出やすいんだって。周りには耕作放棄地が結構見えて、過疎化が…
指示された作業は「テープをカッターで切る」「枝を引き抜く」「枝を運ぶ」。なんのこっちゃ?
垣根の針金が水平に三本張ってあって、そこの強力なテープ&ホチキスで枝が止めてあるから、それをカッターで切り取る役割があるのね。
そしたら、不要な枝を垣根から引っ張って落とすんだけど、これが大変。太いツルが針金に巻きついてるから、結構な力とコツがいるの。最初は大変で、最後のほうも大変。腰も曲げるし、枝がしなって襲ってくるし、いやいや、うちのデラウェアと甲州は合わせて二本しか木が無いから、バチバチ細かく枝を切断しちゃうから、こうゆう作業は初めてだったもんで。
でも、めっちゃ快晴で半袖Tシャツ一枚でオッケーなご機嫌天気で、黙々と作業。なんかね、葡萄の病原菌が残ってるからって、針金に巻き付いたツルまで綺麗に除去するんだって。こりゃ、小さな畑でも大変な労力よ。
午前中の一時間で上段の畑のお掃除が終了。床屋さんでバッサリやったみたいに、畑はスッキリ。
お昼は、「吉田のうどん式 南アルプスの天然うどん」をズルズル団だったかんね。満腹満腹。
午後も一時間強、下の段の畑で作業。上の段では、「剪定」の次の作業「誘引」を若手メンバーが開始してたわよ。
なんかね、マジで知らなかったんだけど、切った葡萄の枝って、「挿し木」ってやり方で、葡萄の木にできるんだって。知ってた⁉️
本当に、現場に行くと、色んなことが勉強になるわ。
ほら、キャルフォルニアワインの都市伝説、「カレラの葡萄はロマネ・コンティのクローン」って、そういうことだったんだ、って。
そうそう、醸造所やセラー的な蔵も見学させていただいたし、
面白いワインやワイン的なのもお味見させてもらったの。口内で味わったらピュッ、勿体ないお化けでちゃうけどしょうがないじゃんね。僕はエースパイロットなんだから。
「ピケット」って名前の泡な飲み物を二種類、「ピノ・ノワールの絞りカス+水+砂糖」と「選果で切った青い葡萄+砂糖」っていう、なんとも味の想像が難しい飲み物。ビールみたいな小瓶に積めてあって、瓶内発酵させてんだって。へー。
薄くロゼ紫っぽいのが「ピノ・ノワール」。
そして、抜群に酸っぱくってユニークで堪らなく美味しいのが、選果で切った青い葡萄で造った白いほう。
柑橘類とは異なる、シチリアの葡萄カッリカンテみたいな酸っぱさが更に尖ってて、でも青臭さだったり青い苦味は無くって。これはサーフィン上がりのビーチで屋台で売ってたらバカ売れだわ。
葡萄の絞りカスっていえば、食後酒のグラッパとかマールが浮かぶけど、日本人は基本的にアルコール耐性が弱めだから、蒸留酒をストレートってのは、なかなか難しいのよね。これは、クラフトビール的なポジションで、いいわねぇ。流行るといいなぁ。いや、売り切れ困るから、流行んないといいなぁ…
そしてもう一種類。デザートワイン的な、「買い葡萄シャインマスカットを醸造+黒糖追加→加熱熟成」。わけわかんないっしょ?
香りがね、とっても蠱惑的なの。黒糖って、ラム酒とか黒糖焼酎とか、お酒としてメジャーだしアルコールと相性が良い香りだと思うのよね。チョコレートなんかと一緒に、チビチビ舐めながら香りを楽しむなんて、いいじゃんね。ゴージャスだわ。
醸造家のヒデさん曰く、「本命のベリーAは正攻法で、いかにキャンディ香を抑えるか、遅摘みしたり、色々試行錯誤してる。他の買い葡萄では、色々とチャレンジしてるの」って。なーるほーどねー。
本命のベリーAは、北イタリアの独特な製法「アマローネ」的な、葡萄を半年 陰干しして糖度をめっちゃ上げてから醸造するってこともやってるんだって。すっごーい情熱
僕だけ『ドメーヌ ヒデ』のベリーA未経験なんだもん。切ないじゃん、悲しいじゃん、もうダメじゃん…
って、思わず声にでちゃったら、今回の訪問をアレンジしてくださったCご夫妻が「近くのパン屋さんで、ヒデさんのワイン、売ってますよ」、だって。行こう❗行こう❗行こう❗
めっちゃ近く、車で5分の立派なパン屋さん『ルーブル』。
ぱっと見、普通のパン屋さん… あれ、ワインが並んだ棚があるけど、『ドメーヌ ヒデ』のワインは無い… あ、奥に冷蔵ケースと小さなセラー冷蔵庫があった、そこに数種類のヒデさんワイン発見!
フラッグシップらしきワインは、なかなかの高級品。軽く悩んで、ベリーAの『サージュV.V. 2018』を二本、
干し果物と干し芋が入ったハードでずっしり重いパンもお買い上げ。このパン、おうちで食べたら相当美味しかったし、家族にも好評だったわ。
さ、戦利品もゲットしたし、でもまだお日さまは高いじゃん。
ここで、お殿様より御達しが。「余は、温泉なぞに入りたいぞよ」… 名君だわ。こうゆうお殿様は、人望を集めちゃうじゃんね。労働のあとで山梨の秘湯でひとっ風呂♨️、素敵ですぞ、殿!
地元の情報は地元で収集、ヒューミント活動が効果的。インターネットに頼ってちゃ、山岳地帯のゲリラ戦には勝利できないわ。
『ルーブル』の女将さんに、オズオズとお伺いすると、「韮崎に、ヌル湯だけど、源泉掛け流しの良い温泉があるわよ。ノーベル賞受賞の大村智先生が造った温泉で」。え? 誰?
ググってみたら、大村先生って、「2015年ノーベル生理学・医学賞受賞。 土壌に生息する微生物がつくる化学物質の中から役に立つものを探し出す研究を45年以上行い、微生物の大規模な培養や有機化合物の特性評価を行う独自の方法を確立」したんだって。偉ーい! 「バイアグラ」とか「毛ガふさふさに」とかじゃないじゃん。やるなぁ、韮崎。
『ルーブル』から韮崎方面に車で20分。なかなか韮崎って、ひなびた雰囲気で良い場所ね。
ひゃー、露天風呂は空気冷たいけど、ぬるめのお湯は気持ちいいわねぇ! こりゃ、ちょっと車で走ったけど、来た甲斐が… あああああ!
だから、山梨県のことを「甲斐の国」って言うんだね、勉強になるし、心も体も、癒されるわぁ♨️
心なしか、ほのかに硫黄っぽい匂いがしたような… 気のせいかしら。後で成分表を要チェックよ。
まったり、冷たい初春の風が吹き抜ける露天で、源泉掛け流しの温泉で、ふぅううううううううぅぅぅ。
また、露天風呂の脇にある「飲用」って書いてある水道水が、また美味しいんだから。まさに、「南アルプスの天然水道水」。富士吉田の水道水も相当美味しいけど、あっちは富士山の伏流水、こっちは南アルプスの伏流水。どっちも最高! めっちゃ飲んじゃった。
ひゃー、今日は好天で南アルプスの山々は美しいし、『ドメーヌ ヒデ』の畑はワンダフルだし、労働は楽しかったし、うどんはデリシャスだったし、お土産も買えたし、温泉はジンワリと癒さしの波動が震源級だし。はっきり言って、豊かすぎる木曜日だわね。ゴージャス過ぎるわ。
ってわけで、韮崎インターチェンジから中央高速でピューっと鵠沼海岸までひとっ飛び。何たって、僕の運転は光の安全さ。搭乗員3名、全員無傷(ただし、一名は肘の古傷が傷むみたい)で湘南に帰還したかんね、えっへん。
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