にゃー🐈 ニャロです。
ワインに限らず、嗜好品や趣味に支払う費用って、その人の価値観を見事にさらけ出すわよね。怖いわぁ。
某一流自動車メーカーでがっつり稼いでるヤングエグゼクティブのAさんは、自転車のスポーツカー(競技用自転車っての、車道ぶっ飛ばしてるヤツ)を一台軽く100万円オーバーで複数台保有。僕のママチャリ号の50倍以上の台あたり価格だけど、そういう価値観。素敵だわ。
僕のロングボードは、7年くらい前に中古で16万円だった「ドナルド・タカヤマ」のモデルT (意味は不明)。去年の冬に、メンテナンス目的で修理に出したら18万円。修理代だけでママチャリ号の9倍だけど、めちゃんこお気に入りの相棒だから、妥当な費用。周りのサーファー爺たちからは「ボラれたな、ヒヒヒ」って喜びの声が上がってたけどね。
ワインは怖いわよね。「オーケーストア」のボトル最安値ワインはメルシャン謹製377円。
それって、イタリアのスーパーで最安値のワインと同レベル。味とか、輸入濃縮果汁原料とかは無視するわよ。なんたって、日本で一番ワイン生産(製造)量が多い都道府県は神奈川県なんだから。葡萄の木は無いのに、不思議ね。
「高いワイン」ってんで名前だけ有名なのが、「ロマネ・コンティ」。
小学生でも知ってる有名ワインで、ボトル100万円だったら安いなんて言うけど、価値観は人それぞれだし、宇宙船12日間旅行 100億円支払ったらしい前澤さんにしてみたら駄菓子屋さんのふ菓子程度の価格だろうし。
そうゆう極端かつ「美味しさを無視」した比較はさておいて、僕はもっぱら「自然派(的な)ワイン」を2日か3日に一本、飲んでるのね、約20年間。ってことは、2400本だわね、なるほどなるほど。
年間120本。実際は、美味しすぎるクラフトビール屋さん『バーバリック(茅ヶ崎)』だったり、狂気の自然派ワイン道場『粗餐(鎌倉)』のせいで、自宅飲みは、その半分くらいかしらね。小売店やネットでワインをボトルで購入するのって。
「美味しいワイン」って、好みは人それぞれだし、それ以前にワインは生き物だから、同じ「シャトーメルボルン」の同じ銘柄「エクストラ旨いクリュ」でも、生産国内での保管や輸送、コンテナ船前後を含めた輸送コンディション、日本国内でのインポーターさんでの取り扱いや保管状態、小売店での保管や出荷方法で全く異なる飲み物になっちゃうから、そこは信頼できる小売店から買う前提ね。
間違っても、夏場を35度になる押し入れで過ごした可能性のあるワインを『メルカリ』なんかで購入したら、ワインの劣化について勉強になって良いわよ。
じゃあ、信頼できるワイン小売店で買う前提で、自宅で幸せに美味しく飲める自然派的なワインの予算って、気になるわよね。そりゃ、予算お構い無しが楽しそうだけど、年間60本 × 一本1万円のワイン=60万円。うーん、車持ってないし、お肉は豚か鶏だし、それくらいオッケーにしたいけど、ちょっとねぇ。バブリーよね。
小売店で1万円ってことは、庶民派のビストロでオーダーしたら15000 – 20000円。ナイフとフォークが20本くらい目の前に並んじゃうレストランだと一本3万円しちゃうじゃんね。
さる情報筋によると、真偽のほどはわかんないけど、ワイナリーからの出荷価格を100とすると、輸入諸経費と輸送コストを含めたインポーターのマージンが25、小売店のマージンが50。合計すると175。つまり、日本のワイン屋さんで3000円販売してるワインは、欧州のワイナリー出荷価格はざっくり1700円。マージン無いと倒産しちゃうから、倒産したら困る大事なワイン屋さんやインポーターさんは応援しないとね。
生産国、例えばフランスのワイン屋さんで販売してる上代価格と、日本国内のワイン屋さんで大した価格差って無いのよね。輸入関税は一本約100円だし、リーファーコンテナ輸送費って一本当たりに換算すると200円弱(今、海上運賃が猛烈に値上がりしてっから、円安とダブルパンチで2022年は値上がり凄そうよね…)。令和三年の日本在住者は幸せよね。
だから、日本のワイン屋さんで3000円だと、フランスのワイン屋さんで20 ~ 22ユーロくらいのイメージ。フランスの消費税みたいなVAT (付加価値税)がワインには20%だから、インポーターさんの為替リスクマージンを合わせると、そんなもん。
ってわけなもんで、ドイツに住んでた8年間(ワインはほとんどストラスブールの自然派ワインしか置いないワイン屋さんでオススメされたの買ってた)も、日本に帰国してからの13年間も、自分なりにギリギリ「幸せに美味しい」ワインを、自分なりに予算を設定して購入してきたんだけど、ざっくり一本あたり3000円以上予算があれば、余裕を持って楽しめるワインにありつけるって感じがするなぁ、私見だかんね。
これが2800円だと、厳しさが増してきて、2500円だとかなりレア。2000円以下だと、キンキンに冷やして海上がりでゴキュゴキュにはグッドだけど、ワイングラスをぐるぐる廻して極限まで香りを絞り出す、ってことは、まず無いなぁ。だって、日本のワイン屋さんで上代2000円ってことは、欧州のワイナリーの出荷価格が1150円だかんね。なんとなく、わかるような気がしない?
そんなわけで、令和三年までは、「マックス3500円、12本買うときは、アベレージで3000円は超えない」ってマイルールをユルユルに運用してきたんだけど。
この『アン』ってワイン、鎌倉 由比ヶ浜の一流自然派ワイン屋さん「鈴木屋酒店」でジャケ買いしたんだけど、確か2500円前後だったのよね。寒いから、南イタリアの赤ワインで南伊気分になりたかったし、鈴木屋さんの扱いなら安心だし。
で、まぁビックリ・ポンよ。燃えるようなヒリヒリした酸味がきっちり情熱的に、でも綺麗にまとまってて。モロ好み、おうちでつまみレスで炬燵飲みするのにバッチグーちゃんじゃん。
【造り手】ナタリーノ・デル・プレーテ Natalino del Prete
【ぶどう品種】ネグロアマーロ
【原産地呼称】IGP (Indicazione Geografica Protetta) Salento
ネグロアマーロって葡萄のイメージは、濃くてアルコール激しく強くて、飲み疲れちゃう南イタリアの暴れん坊将軍、なんだけど、この造り手さん『Natalino del Prete』の愛なのか、めっちゃ繊細な中に美しく情熱的酸味が嬉しい感じで、ファンになっちゃったもんね。ダメよ、これは3500円以上で売ってもらわないと。
南イタリアの暑い土地のワインなのに、スーッとミント、ハーブのような清涼感味が上顎を駆け抜けて、これって自然派ワインでも本当に素晴らしくて状態バッチグーなワインでしか味わえないのにね。
販売店の鈴木屋さんも、インポーターのヴィナイオータさんも、ありがたいわ。適当かましてハンドリングしたら、こんな繊細味わいはソッコーでぶっ壊れちゃうもん。感謝感謝!
ちなみに、イタリアの自然派的なワインのネット通販サイトで16.20ユーロって見つけたんだけど、今日の為替レートが129円/ユーロだから、単純に掛けると約2100円。日本への輸送費と輸入関税を300円、為替変動リスクを+10%って仮置きすると、日本での価格がいかに妥当で、でもインポーターのヴィナイオータさんが日本向けの本数を確保してくれたから日本でこのワインが美味しくグッドコンディションで頂ける。感謝だわ!
この造り手の他のキュベも呑みたいわん。
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