にゃー🐈️ ニャロです。
数日間、ヘレス・デ・ラ・フロンテーラの辺りをウロウロしたけど、今回アンダルシアに来た理由はシエラネバダのワイナリーを訪問すること。
あ、シエラネバダってのは、

スペインの南端、すぐ南にはアフリカ大陸のモロッコだってのに、雪が積もっちゃうヤバい山脈じゃんね。
で、このシエラネバダ山脈を挟んで、2つのワイナリーが標高1100m越えの高地にあるんだけど、どっちもワンダフルなワインを造ってるから、こりゃ見に行きたいじゃん。
そもそもは、今年のワインイベントヴィナイオッティマーナに来てたワイナリーBODEGA CAUZONのRamonさん。

あまりにもスルスルと飲んじゃう白ワインに感動して、「畑見に行っていい?」って聞いたら「来い来い、すぐ来い」って。
じゃあ行くじゃんね、ってんで行ったわけ。
実際は、「あの時、色んなイベント参加者が行く行くって言ってたけど、インポーターと一緒のグループ以外で来たのはオマエが始めてだー」って、まあ遠いしね。
シエラネバダの北側に位置するBODEGA CAUZON、最寄りの国際空港Malagaエアポートからだとクルマで2時間だから、まあ近いじゃんね。

要注意なのは、海沿い東に走ってから北上する山越えルートだと、かなりクネクネ登り道になるから、運転手はいいけど同乗者がいたらゲロゲロになっちゃうかも。
僕はヘレス・デ・ラ・フロンテーラから4時間走ってBODEGA CAUZON行って、それは高速使うから運転は楽チンで、そっから山越えてBARRANCO OSCURO行って、更に南下してMalagaに戻るルートだったんだけど。
で、まずはBODEGA CAUZON。
最寄りホテルに到着したのは夜19:30。
午前に訪問したワイナリーでいっぱい試飲したからか、途中でめちゃ眠くなって、20分仮眠したもんで、少し遅くなっちゃった。
で、紹介してもらった最寄りのホテルが、なんとも嬉しい温泉ホテル。


でも、到着日はとにかくチェックインだけして、クルマで5分のRamonさんの家へ。夕食一緒に食べようって誘ってもらってて。

で、明らかに食いしん坊なRamonさん。


イベリコ生ハム切ってくれたり、色々料理作って待っててくれて。


巨大骨付き羊肉のロースト、数日間ヘレスでの海鮮づくしだったから、余計旨いー!
Ramonさんのシラーと合わせると、天国〜!

英語全く話さないRamonさんとの会話は、イタリア語。ヴェネトのアンジョリーノさんリスペクトのRamonさん、やっぱイタリア繋がりなのねん。
そういや、BARRANCO OSCUROでも会話はイタリア語。同じラテン語だから覚えやすいのかもね。
ナニ話したか覚えてないけど、23:00過ぎまで呑んで話して、翌朝に畑見せてもらうってんで解散。
で、翌朝、まずはホテルの温泉へ。

日本の自由湯治と違って、欧州の温泉は大半が管理温泉。
医療行為的な扱いで、処方にしたがって、僕の場合は、
ぬる湯泳ぎ10分➡冷たい歩行プール歩き15分➡41度まあまあ熱い温泉10分➡ミストサウナ➡熱い温泉 ってのを、おばさんが都度時間計って呼びに来るシステム。
まあメンドイけど、それでも温泉は気持ちイイじゃんね。あ、水着と帽子持参ね。
で、スッキリしたところでRamonさん家へ。


まずはコーヒーと、Ramonさん謹製のイベリコ生ハムパン。スペインの朝はいつでもゆったり。
とっくに収穫も仕込みも終わってるから、この季節はゆったり季節で、そろそろ冬剪定始めるかー、ってタイミング。
クルマで10分の畑に連れてってもらったんだけど。
これがまた、ビックリ。マジで来て良かったってか、来ないと想像できない畑。




一般的には、ぶどう畑って陽当たりの良い斜面にあることが多いんだけど。
ここは丘に挟まれたなだらかなスロープというか、大昔に大水がシエラネバダから流れてきた旧川底というか。
だから、色んな種類の大きめの石がゴロゴロしてるし、南スペインの強い日差しも朝遅く日が昇って早く沈むじゃんね。
そして標高1100mだから日が沈めば気温はイッキに急降下、なるへそー。
除梗した梗とかを放置して堆肥にするのに3年かかるんだって。3年!土に菌が少ないからだねー、日本の肥沃な土壌と大違い。

クリスタルみたいな石含め色々な種類の石、眺めてるだけで面白いー。


ちょっぴり冬剪定やらせてもらったんだけど、ガルナッチャの枝の太いこと!
全然切れんし。これを全部の木でやるのねん…(電動ハサミ使うって言ってたけど)。



しかしまあ、雑草がない、ホントにないー!
どんだけ雨少ないんだって話。




灌漑チューブは、6月前後にどうしても雨ゼロで枯れるピンチの時用だって。

少し窪んだエリアの畑があるけど、一部からは雪被ったシエラネバダの高い部分も見えるしねー。






畑を堪能させてもらって、ご実家兼セラーに戻って。




開けなくていいのに、いくつか試飲させてくれて。シラー美味しい〜。



しかし、なんなんだろね。
どのキュベもSO2添加ゼロだから柔らかくて色んな味がするのはわかるけど、綺麗なんだよなー。
来なくても大好きなワインが、もう味がわかんなくなっていくじゃんね。好きすぎて。
で、注文しといてくれたパエリア食べに、村のバルへ。

パエリアっていえばバレンシアってイメージだけど、スペイン中で各地で色々と個性があるらしくって。



この村、恐らく人口数百人。
で、村に数件あるバルは、朝はカフェ、昼から夜まで御飯食べたり呑んだり、まさに村の貴重な生活インフラなんだろけど。

あのー。

すっごい、すっごい旨い⋯

持ち込んだラモンさんのワインと合うのは当たり前なんだけど。
僕のイメージは、バレンシアのパエリアはカリカリ系、底だけじゃなく表面までカリッとなるまで火をいれるパエリア。
ここのは、しっとり。少しアルデンテっぴさ残しつつ、とにかくお出汁が旨い。
5人前頼んだパエリアは、Davidさん含めた我ら3人を前に、即完売。


デザートまで旨いから、夜ホテルから食べに来ようかと思ったけど、部屋戻ったらバタンキュー。最高の1日だったー。
で、翌朝、また温泉指導受けて、山越え出発。


シエラネバダ越え、雄大な景色だったり?雪がめっちゃ積もってたり、一車線双方向スレ違い恐怖エリアがあったり、なかなかタフな運転だったなー。

途中のホテル“Alquería de Morayma”にチェックインして一安心。これで野宿は免れるじゃんね。
ワイナリーBarranco Oscuro、ここも去年のヴィナイオエティマーナに来てたワイナリーなんだけど。
正直、見くびってたー。
凄い美味しいんだよ、赤ワインキュベ1368を北鎌倉で出してた時があって、はっきり言って相当美味しいワインだったんだけど、3本連続でコルクがスカっと穴空いたイメージが強過ぎて。
Bodega Cauzon訪問するから、ついでにってんで訪問したんだけど、大間違い。ここがラモンさんの大先輩だったー。
僕が生まれた7年後に移住してきたManuel パパ、今一緒に仕事してるLorenzoさん。
はっきり断言しちゃうけど、ここほどExtraordinaryな畑は見たことないし。

運良く崖から落ちず、予定通り到着して、まず畑に連れてってもらったんだけど、僕の運転だったら確実に崖落下してたし。
で、シエラネバダの南側、つまり海側は、意外と緑が多い景色で。海からの湿った風で湿気があるみたい。

木陰には苔が生えてたり、

アーモンドやオリーブ、いちじくの畑も点在してて。ちょっと標高下るとビニールハウスがいっぱいあったり。



大きめの石だらけの異常な畑の光景にあんぐりしちゃうんだけど、LorenzoさんはパパManuelさん昔話を訥々と語り続け。偉大なパパなのだー!
でっかい石だらけの表面の下はカチカチの粘板岩土壌。めっちゃ硬いー!



ただでさえ標高1100〜1360mのExtraordinaryな環境で、この土壌、ってか土?
そして、冬剪定終わった、Manuelパパが初期に始めた畑のヤバいこと。



「このあたりの木は樹齢も高いし、雨量少ないし、木1本あたり収量は500gくらい」⋯ えええええーーーー!なんじゃそりゃーーーーー!やべーワイナリーじゃんね。

古木も色々見てきたけど、この迫力。
畏敬の念って、こうゆうことじゃん。



若い畑は収量取るような仕立てだったり、ってか畑毎にぶどう品種も仕立ても土壌も全然違って。

畑によって、粘板岩土壌が柔らかかったり、雑草生えてたり、謎だらけ。
ここは、1回来たくらいじゃ全然わかんないミステリーワイナリー。

アーモンドもいちじくもちょびっと栽培してて。

年30000本造ってるだけあって、プレス機は水平式。

ヴィナイオーティマーナでは泡が美味かったんだよなー。
そうそう、ここの子、ってか巨大な白ワンコ。


グレートピレニーズって犬種なんだって。めっちゃ自慢の家族みたい。ニンゲンくさいイヌなの。





初期の頃、パパManuelさんはココ⇧でプレスしてたんだって。うわーーー。

今日はLorenzoさんが手料理振舞ってくれるんだってー、楽しみーーー!
で、パパManuelさんは、セラーにランチワイン探しに。うひょ!





この美しいレンガアーチのセラー、パパManuelさんが設計して、5年かけて手作りしたんだって。もう意味不明。
で、選ばれちゃったのが⋯

あの泡と、1368の2000年!20世紀のキュベやーん!
こんなご馳走いただいていいのかアタマは悩むけど、胃袋は素直に大喜び。

泡、超旨いしー、シェリーみたいなペドロ・ヒメネスも、豚皮脂カリカリ揚げChicharronとめっちゃ合うしー。

そして、当たり前だけど、1368の2020,ヤバい。なんじゃこりゃ⋯
幸せな美味しさなのは間違いないし、ホテルは近いし腹ペコだし、ここは無心になって飲み食いすべし。
しかし、1368を開けるには、あの道具が必須なんだねー。



スペインの男子って、料理好きみたいだけど、Lorenzoさんもかなりの料理好きだねー。
かつ、こんな山のワイナリーなのに、なぜ生で塩も無しで食べれちゃうカタクチイワシが出てくるのか、ホントにアンダルシアの魚介クレイジーっぷりはヤバいなー。

この生エビのマリネも、信じられないくらい甘くて美味くて臭みゼロ。なんなんだ⋯



お手製のマグロ燻製マリネもめっちゃ旨いし、炭焼き台ではデカい魚が遠火で焼かれてるし。



エビ更に3種類ー、生と茹でと炭焼きと、どんだけーーー。


魚介フリットまでー、うわわーーー。

お魚焼き上がりー、捌くー。


釣りモノだから釣り針ついてたー。
もう、幸せ過ぎるー。
ここでも、パパManuelさんともLorenzoさんともイタリア語で会話。
なぜか異常に波長が合うLorenzoさん、もう80過ぎだけど、食欲旺盛。
ワインは異常に旨いし、


2000年頃のワイン造りのはなし聞きながら、バカ話へ。はははー、だって楽しいんだもーん。





決めた。
パパManuelさんが元気なうちに、また会いに行こう!


もちろん、Lorenzoさんにも。
さ、ホテルで寝よーっと。
(ホテルのアラカルトの食堂も美味しそうだったけど、部屋着いて即死亡)


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