にゃー🐈️ ニャロです。
サラリーマン卒業して一年ちょい経過、毎日一回ブログに記事アップするのを日課にしてきたんだけど、この一週間はアップアップで未更新だったの。
お友達から「死んだの?」「夜逃げ?」とかお問い合わせをいくつか頂いたんだけど、発熱もしてないし株価暴落もしてないかんね。
今週8/22~8/27の6日間、北海道の素晴らしいワイナリーを次々に訪問してきたの。もちろんレストランやワインバー、ワイン屋さんや道の駅もね。
辻堂で腕利きシェフやってて、北海道のワンダフルなワインが大好きなお兄ちゃんに付いて行ったんだもん。
北海道の飲食店や温泉にも寄ったけど。とにかく最優先はワイナリー。エグゼクティブ級のアポイントとスケジュールだったもんで、ブログ記事のネタはたっぷり貯まるんだけど、記事にする時間がまったく無くって。
最終日=温泉日の今日、漸く登別温泉の休憩室でブログ記事まとめ開始したわけ。
前泊、というかマンガ喫茶で「前マンガ」した蒲田から京急で羽田空港へ。
今回はLCC=お安目航空会社「SKYMARK」だからJALと同じ第一ターミナルね。
さすがはお盆ウィーク明けの月曜日早朝便、庶民向けカウンターは大盛況じゃんね。
当然機内は… なんか囚人移送専用機みたいな雰囲気。マスク外したらパラシュートで降下させられそうね。
さっくりあっさり新千歳空港に到着。ママチャリで9日間もかかる距離を… ジェット機凄いわね。
超格安レンタカー「スカイレンタカー」は、当然空港内にカウンター無し。ナイスなコストセーヴィングじゃんね。
僕のクルマに関するこだわりは「安全運転」だけだから、レンタカーは最安値の「車種お任せプラン」。さすがに軽自動車は事故でペッシャンコになっちゃうから、
小型車で。五泊六日で35000円は、お盆プライスだけど已む無しね。二人で割り勘だし、最終日は僕一人で車中泊だし。
小型車にしては、異常に運転席と助手席の距離がカップルシート並みに近いレンタカーで、余市に向かって出発! 高速使えばたった80分。
今日の一軒目『ドメーヌ モン』は、何てったって驚愕の素晴らしいピノ・グリのワインで個人的には日本ワインのトップ級。「ドングリ」ってキュベを出してて、
数回飲む機会があったんだけど、湿った森の中の豊かさと優雅な洗練が同居してて、目を瞑って香りを嗅ぐとブルゴーニュの素晴らしいピノ・ノワールみたいだわ、って僕にとっては感動的なワインなの。
山中さんとは鎌倉のワインバーで同じカウンターを囲んだ仲(もし原田知世さんが同じカウンターで飲んでたら、そうゆう仲。まだそうゆう機会は無いけど)だから、少し気楽だし再会が楽しみじゃんね。
お忙しいのに畑案内してもらっちゃって、流石は辻堂の「ザ・シェフ」じゃんね。僕はひたすら附いていくわけ。
素敵なワイン畑、丘になってて。ってか、これ山中さん一人で開墾したって… 絶句じゃんね。
山中さんの説明(「ザ・シェフ」からの質問への回答含む)
〈樹齢4年目の畑にて〉
今年2022は雨が多かったので、ベト病が多かった。
使っている薬剤は「ボルドー液」のみ。
樹齢4年目の葡萄の樹には肥料を与えてないから樹がちゃんと育ってない。今年は雨が多かったので、畑全体に手間がかかって、この若い樹の畑に手が回ってない。
自分の畑は全てピノ・グリ。そろそろ「ヴェレゾン」。
今年は「花ブルイ」の影響で「ミルランダージュ」が多い。
これは悪いことだけでは無いと思っていて、小粒でも凝縮した味わいや香りに貢献する可能性がある。
ヴェレゾンするタイミングの今から晴れれば、2022は良い年になりそう。
使用している薬剤はボルドー液だけなので、下草は刈るようにしている。それによって畑に来る虫も、湿気も、ほどほどで抑えて、ボルドー液の使用量を抑えたい
(ボルドー液は何回撒くのか、という質問に対して) ボルドー液は回数より濃さ、銅を単位面積あたり何g相当の原液を撒くか、が重要。その質問をされることが多いので、回数を少なくして原液の稀釈濃度を濃くする生産者もいる。自分は散布「量」を最少に抑えたい。
〈樹齢7年目の畑にて〉
樹齢7年目のピノ・グリの樹は、やっと大人の樹になってきたと思う。
今年の収穫時期は、今の調子だと10月初旬。
これから雨がふると、身が割れたり病気になるので、神頼み…
〈「自根(ジコン)」の畑にて〉
※自根=接ぎ木していない、よって害虫「フィロキセラ」にやられて全滅するリスクがあるので通常の「ヴィニフェラ」は接ぎ木をする。
山中さんは自分のピノ・グリのクローンを育て、「自根」のピノ・グリを一部で育ててんのよね
自根の樹は病気にかかりやすい。
夢があるけど手がかかるし、今年もベト病がでてる
実に付く灰カビ病は、モンではオッケーにしてワイン醸造に使っている(捨てない)
買い葡萄の畑はこれから見に行く。収穫に向けて週一回くらいは見に行くつもり。
葡萄に貴腐菌がついていたほうが、ワイン醸造する際に野生酵母の働きが良いかもしれない。
〈醸造所内にて〉
プレス機は欧州製の新品を、国の助成金2/3もらって買った。審査に通る書類作りが大変で、大手ワイナリーは億単位で助成金貰うから専門の担当を雇ってるが、自分たちのような小規模農家にはハードルが厳しい
樽から試飲(運転手はもちろん香りだけ…)
・2021ドングリ(木樽)
(主張する樽香は感じられないじゃんね。聞いたら、樽は4年目の樽なんだって)
・2021ドングリ(木樽、自根畑葡萄)
自根の樹からの収量は少ないからプレスが優しくなった影響もあると思うが、優しい味わいだし伸びやか。もう瓶詰めしていいかも。樽を置くセラーの気温が20度を超えると「MLF(乳酸発酵)」がおきる。それを過ぎると品質が安定するし、それ以上熟成させると酸化のニュアンスも出ちゃうので、どこまで樽に置くかは醸造家の好みの問題。ここでは、収穫終わったら前年の樽に入っているワインを瓶詰めする
買い葡萄は全て余市登地区から。
・ケルナー(ステンレスタンク)
華やかで円やか
・シャルドネ(ステンレスタンク)
・ピノ・ノワール、ツヴァイゲルト、ソーヴィニヨン・ブラン
パワフルな味わいにしたくないので、早めの収穫を農家さんにお願いしている。適度な完熟、収穫を少しでも遅らすよう収穫時期を引っ張るのは自分は止めたい。ただし、リースリングはなかなか熟さないから難しいけど…
(岡山の大岡さんが「偉大なワインは畑を選ぶ。本州の雨量だと『偉大なワイン』は作れない。『美味しいワイン』なら頑張ればどこでも作れる」「『偉大なワイン』とは、僕の考えでは、グラスの中に神様がいるような、思わず膝ま付くようなワイン」って言ってたけど、山中さんは『偉大なワイン』に挑戦してるの? って質問に対して)
大岡さんの『神様』は欧州的な、一神教的圧倒的な神様のイメージだと思う。自分は、ワインで日本を表現したい。日本では「ヤオロズノカミ」のように、自然や土着の風土に神様を感じているイメージなのかも…
〈感想〉
ひゃー、畑で見る山中さん、カッチョいいお兄様って感じ。ベト病に苦労してるって言ってたけど、5日目に訪問した空知(特にkondoヴィンヤードのmoseusiの畑や、浦本くんの畑)の畑の葉っぱや実の状況と比べたらとっても葡萄の多くの葉っぱが健康に見えたし葡萄の実も房あたりの実の数が少なかったり「ミルランタージュ」の小粒な実が目立つけど、収穫時期の実の病気はその分少なくなりそうに見えちゃったかんね。
山中さんも「このまま天気が良ければ良い年になりそう」って言ってたし、北海道担当の天気の神様にお祈りしちゃうわ…
試飲させていただいて、特に驚いたのが2つ。「2021ドングリ」の味わいが、去年の収穫からまだ1年経ってないのに、もう充分過ぎるほど素晴らしく美味しくなってること。そして「古樽使用」「ステンレスタンク使用」でワインのニュアンスが驚くほど変わること。
買い葡萄の白ワインたちはフレッシュ感も軽やかなボディも酸も「美味しい」ワインなんだけど、古樽が加える複雑みがこういう感じなんだなぁってクッキリしゃっきりわかっちゃったのは初めてかも。
ブルゴーニュのピノ・ノワールで「フレッシュ&チャーミング」な感じと「しっとり、複雑味や湿った森の中で感じる腐葉土やキノコや色々」な感じの違いに大きく古樽が影響してそうね。勉強になったわ。
去年秋の収穫お手伝いでは、たわわに実った葡萄をみんな笑顔で摘む幸せな時間を少しだけ共有させてもらっちゃったけど、今回の「8月頃下旬、ヴェレゾン前後」って時期は、葡萄の開花から実をつけていく時期の厳しい天候や病害虫との闘いの生々しい記憶や現状があって、それとまだ闘ってる時期で、しかも収穫に向けて前年収穫のワインをどう瓶詰めしていくか悩んだり天候を祈ったり、とても忙しくて悩ましい時期だってわかったし、ちょびっとだけ共有させてもらった気がするじゃんね。うはぁ…
さ、次は『山田堂』『じきの畑』じゃんね。お昼ご飯は… 『セイコーマート』っぽいわね。
コメント