にゃー🐈 ニャロです。
人間って、めっちゃんこ「無い物ねだり」だって、知ってた?
長い長いドイツ南部オーバーオーゼルでの暮らしって、強烈に「日本」への渇望に痺れ続けた8年間だったのよね。数少ない薄切り肉を切ってくれるお肉屋さんに通って、作る料理は肉じゃが。
毎週、韓国食材店に自家製豆腐買いに行ってたし、
日本出張の度に無濾過原酒や芋焼酎の一升瓶を8本、機内持ち込みでハンドキャリー。バッグの肩紐が鎖骨に食い込むマゾ的な出張社員。
ドイツに住んでるなら、ソーセージとかドイツビールとかワインとか楽しめって? そこが人間の「無い物ねだり」精神の発露。手に入れたモノは飽きちゃったり、遠くにあるモノが欲しくなったり。「隣の芝は青い」みたいな感じだったのかなぁ。
そんなドイツ生活で、魂を癒してくれたのは、蕎麦打ち。江戸っ子だから、蕎麦つゆだって相当拘ったかんね。
そんなわけで、「湘南ズルズル団」の中でも、蕎麦には妥協しないって評判なのが、僕(自称)。そんな僕が、整体教室の局長に連行されてきたのが、鎌倉駅から徒歩4分の『手打ちそば さとう』。
なるほど、いい雰囲気じゃんね。
ホォホォ、「おかわり」とか「大盛」とか、ラブリーね。特に記載がないから、二八蕎麦っぽいわね。達筆手書きのお品書きも雰囲気満点だし。いい感じよ。
蕎麦好きなもんで、僕は蕎麦屋では蕎麦しか食べない派なんだけど、ご一緒した局長は昼酒開始するし、団員AKINAさんは鶏れば山椒醤油漬け発注するし。つまんだら旨いし。
このお店、危ないわね。間違ってサラリーマンがお昼ご飯に蕎麦食べに入っちゃったら、昼酒で戦闘不能になるか、
魅惑的なオツマミのお品書きと純米酒リストに脳ミソ焦がされて、おバカになっちゃうか、どっちかじゃんね。ヤバいお店よ、本当に…
なんて悶えてたら、お蕎麦が来たわ。僕は、「せいろ」「福井県産十割せいろ」をそれぞれ大盛りで注文したの。少なめにしとかんとね。
スタンダードメニューの「せいろ」。二八蕎麦らしい、角の立った端正な細打ちじゃんね。ちゅるっとズルズルっと気持ちいいわ。ナイス二八蕎麦! 大盛も、藤沢の名店『すい庵』よりも量があって。『すい庵』は十割蕎麦だから、比較しちゃフェアじゃないんだけど。
で、ここで「福井県産十割蕎麦」登場。
十割蕎麦、美味しいんだけど、美味し過ぎってか、端正過ぎない? お蕎麦の角もキリッと立ってるし、繋がってるし、表面ボソッとヌルッとしてないし、切れっぱしみたいな短い蕎麦も見あたらないし。???
そもそも、蕎麦がきとか思い浮かべるとわかるけど、蕎麦粉ってボソッとしてるし、表面はぬるぬる。蕎麦粉だもん。それをツルっと蕎麦に仕立てるのに、小麦粉をブレンドしたのが二八蕎麦だったり。
十割蕎麦の名店『すい庵(藤沢)』の蕎麦はこんな感じ。
だからさ、シェフに聞いちゃった。「素晴らしいお蕎麦ですけど十割蕎麦、お湯繋ぎですか? それとも海藻とかとろろ芋とか繋ぎに使ってますか?」って。訊かずにいられないんだもん…
そしたら、「水だけです」、だって。うーん、だとしたら凄腕だし凄蕎麦粉だわ…
…
…
もやもや…
モヤモヤ…
これは、もう一回行くしかないわ! 団長たる僕一人で乗り込んで、「ヤルかヤラレルか」の勝負よ!
違うのよ。日本酒とつまみを永遠に繰り返しにきたんじゃないもん。
このお蕎麦屋さん、つまみが残ってる間は、お蕎麦出さない気配り凄いの。席数少ないし、鎌倉のいい場所だから、ひっきりなしにお客さんがくるんだけど、急かされたりしないし。これ昼飲みには最高だし、しっかり飲み食いしないとね。
で、「十割蕎麦」。結論、「よくわかんない」。好みとしては、藤沢の『すい庵』の十割蕎麦+蕎麦つゆが最高に好きだし、ここの二八蕎麦は〆にとてもいいし。ここの十割蕎麦は… もう少し研究しないとダメね。
湘南ズルズル団 調査報告
調査対象 :『手打ちそば さとう』
昼呑みできる純米酒とバチコン合うつまみと端正な天ぷらのお値打ち度と充実度 ☆☆☆
細身でキリッと蕎麦の角が立った二八蕎麦の完成度 ☆☆☆
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