にゃー🐈 ニャロです。
愛知県の伊良湖港から続く国道42号線からは太平洋が一望できたり、菜の花が満開だったり。
愛知県といえば、岡崎市の岡崎城で生まれ育って天下統一しちゃった徳川家康さん、
そして、現代の自動車産業界で天下をとってるトヨタ自動車グループも愛知県が本拠地じゃんね。すげーぜ、ダギャアダギャアの愛知県。
時価総額51兆円… ちなみに、前世紀にはトヨタ自動車といい勝負してたこともあったらしい神奈川県が本拠地の日産自動車の時価総額は、
… 今日の最新株価ベースで、2.3兆円。うわ、トヨタさまの1/20以下。残念ながら、戦国時代も令和の今も、神奈川県は愛知県に勝てないみたいね。
んで、ついにというか、当たり前というか…
うわ、これってかなり凄い「認定」だわね。
あーあー…
えっとね、これって極めて単純な事件なんだけど。
まず、「下請法」ってのがあって、これって、
要は、資本金が3億円以下の会社が「下請法対象」って法律で、自動車メーカーはどこも資本金3億1円以上だから、この法律の対象となるわけ。たとえば、クルマのホイールをつくってる⬇のメーカーとかね。資本金が1億9950万円じゃん=下請法対象サプライヤー。
まだ僕がサラリーマンで購買部署にいた5年前、いやいやもっと前から、定期的に公正取引委員会から「下請法ガイドライン」みたいな資料がドカドカ送られてきてたんだけどさ、
対象となる取引事例としていくつかあるんだけど、筆頭に事例が出てくるのが必ず、
「自動車メーカーが、自動車の部品の製造を部品メーカーに委託する場合」。まさに、例えばトヨタ自動車や日産自動車がアルミホイールを下請法対象企業「光生アルミニューム工業株式会社」から買うってのは、ズバリなわけ。
そして、どうにでも解釈できちゃうのが⬇
これがね、なんというか、「法解釈による」って感じでさ。
だって、某ゴーンさんにご指導いただく前の倒産寸前だった日産自動車が部品を買ってた価格って、アホみたく高かったのよね。担当してたプレス部品とか樹脂部品の過去データ見てたから知ってるんだけど。
「著しく低い下請代金」って、誰がナニを根拠に判断するか、下請法のどこにも明記されてないわけ。
そもそも、どの部品メーカーから次の新車の部品を買うかを決める「ソーシング」ってイベントでは、各候補部品メーカーから相見積もりを取るんだけど、自宅の外壁塗装と同じで。
でもさ、その見積もり明細なんてウソだらけ。お互いに商売なんだから、売るほうは「少しでも高く」、買うほうは「少しでも安く」。資本主義社会、市場経済の基本じゃんね。税金ムダ遣いし放題のお役所仕事と違うんだから。
例えばさ、専用の特殊仕様の新たなネジを買うとするじゃん。
現行車の日本のサプライヤーA社が10円、新規取引を希望してるインドのB社が5円だとするじゃん。新しく取引始めるのって面倒じゃん、インドのネジ工場まで品質監査とかって出張したり、口座開設したり、とにかく面倒
だからさ、大概場合、A社に「4.5円にしないと、次の新車で発注できないじゃんね」みたいなやり取りすんだろね、僕はしなかったけど。
これって「買い叩き」?「著しく低い下請代金」?よくわかんないけど。
で、今回の「違反認定」は、恐らく、「じゃあ4.5円はムリだろけど、6円でいいよ。ただし、一年おきに0.5円ずつ値下げして、3年後には6円➡5.5円➡5.0円➡4.5円。これならインドのB社じゃなく御社A社に発注する社内承認取れるしさ、どうする?」みたいな。
で、下請法対象企業のA社に書類を出させるわけ、「値下げ合意書 この部品を受注したら、毎年0.5円値下げを3回行うことをお約束します」って。この書類を根拠に、「弊社は下請法違反しておりません、取引先が自主的に値下げするって公式な書類があるもんね」ってのが某自動車メーカーのやってる事、のはず。
だってさ、某社の購買部署のKPI(数値目標、達成できれば高評価、ボーナスも昇給も)、「今年は▲5%」みたいな、値下げの結果の数字が評価の最重要なんだもん。実は、この「毎年減額」は、購買部署のKPI達成のため。ウケる…
で、今回の公正取引委員会の判断は、「それ、NG」。ウケる…
すげー背景は明快じゃんね。増税メガネ首相の岸田くん、不祥事だらけで、支持率回復には「賃上げ〜、給料アゲアゲ〜」を実現したくてしょうがないわけじゃんね。
お役人たちの親玉「政府」が強烈に「おい、賃上げを妨げるモノはすべて排除せい!言い訳なしじゃぁ〜!」ってプレッシャーかければ、しがない公正取引委員会のお役人たちは、「よし、今まで悩んでたけど、やっちゃうか」って。超単純。
ちなみに、ダイムラー・クライスラー(ベンツの会社)は、最初から最安値、その後値下げしなくて良し、なのよね。ハハハ〜。
でね、日産自動車はもうお縄頂戴しちゃったからアレだけどさ、これって2つの「うわぁ〜」があって。
一つは、「下請法違反は、下請企業が訴えないと違反認定されない」ってこと。わかる?
下請法対象の、同じ部品メーカーA社がさ、時価総額51兆円のトヨタ自動車さまにも、時価総額2.3兆円の日産自動車さんにも、取引があるとするじゃん。
仮に、同じ「値引き要請」を受けるとするじゃん。A社が「トヨタ様も日産さんも同じ値引き要求してきたけど、日産だけ訴えよう!」ってことがありうるわけ。だって、下請法対象企業からの訴え無いと公正取引委員会は動けないんだもん。
てかさ、公正取引委員会に訴えるってことは、よほどのコトじゃんね。目先の取引は継続するけど、次の発注とか貰えない覚悟が無いと訴えないわよね。当たり前じゃん。
一回倒産しちゃった「マレリ(旧カルソニックカンセイ)」みたく、日産向けだけの残念な部品メーカーはアレだけど、例えば「光生アルミ」みたくトヨタグループともホンダともスズキともマツダとも取引がある部品メーカーの場合、
「全然計画台数より実際の生産台数少ないし、毎週の発注数がめちゃくちゃバラついて迷惑極まりないし、やたら値下げ値下げ煩いくせして材料値上げは受け入れないし。もういいよ、止めよう。公正取引委員会に日産だけ訴えて、今後の新規取引無くていいよ、たかが2.3兆円の時価総額企業は無視して、51兆円のトヨタ様についていこう、材料値上げも受けてくれたし」、みたいな経営判断、アリだよね。
ってか、⬆のホームページの「主要取引先」から、早くも日産自動車が消えてる気がするのは、多分気の所為よね…
で、もう一つは、「訴えられるリスクは、自動車メーカーだけじゃなく、ティア1部品メーカーにも」。ってか、むしろ調達先の下請法対象率は断然ティア1部品メーカーのほうが自動車メーカーより高いかんね。これは大ピンチだと思うわよ。
さぁ、自動車製造業界の購買部署、バイヤーの皆様、仕事がめちゃくちゃ増えそうじゃんね。カラダ壊さない程度に頑張ってね~。
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