にゃー🐈️ ニャロです。
現時点でイタリア未踏の州っていったら、カラブリア州とモリーゼ州なんだけど。
でも、未踏の有名観光地っていったら、リグーリア州のチンクエテッレで。イタリア好き人類なら全員知ってる超人気リゾート観光地じゃんね。
今回、トスカーナ3日間ご一緒した平塚のシェフたちとフィレンツェ空港でお別れして、ミラノ空港まで戻るってんで、海沿いに北上してチンクエテッレに寄ることにして。
チンクエテッレといえば急峻な崖の段々畑のワイナリー、といえばPOSSAじゃんね。あまり飲んだ事無かったけど、訪問前に飲むのは当然のマナーで。何種類か飲んでみて、個性があって魚介に合いそうな塩味的ミネラルを感じるワインで、アポイントとったんだけど。
Riomaggioreって村、まさにチンクエテッレの代表格的な観光地。ジェノバから電車で90分だから、案外行ったことあるヒト多いのかも。

この村、クルマで行くなら超要注意。とにかく駐車スペースなんて皆無だし、ホテルも異常なハイレート。まあ、最高の観光シーズン5〜6月だし、そりゃそーだ。
POSSAのワイナリーはRiomaggioreのど真ん中にあって、Googleマップをボケ~っと見た感じは「ワイナリーにクルマ停められそうかなー」って考えちゃったんだけど。
超大間違い。江の島の参道裏手にワイナリーがあるようなもんで、クルマどころかヒトとすれ違うのもやっとの細道と階段だらけ。やっちまったーーー!
早い段階で「やっちまった」ことに気付いて、村唯一の立体駐車場(駐車場富豪確実のリッチな立地)に命からがら駐車して。んで、ちっこい村だから知ってるかと思って「POSSAってワイナリーのハイディさん知ってる?」って駐車場のおじさんに聞いてみたら、いきなりスマホで電話かけてくれて。
「駐車場でて左にまっすぐ、銀行ATMの右の階段上がって左に50メートル行けばワイナリーだけど、いま畑仕事してて11:00に来いってよ」って。
優しいおじさんじゃんね。で、30分くらいRiomaggioreを観光的散策したんだけど、とにかく凄い観光客、凄い観光地価格。まあ、そうなって当然の、美しさだもんなー。チンクエテッレ…

ジェノバから電車で半日旅行で行くのに最適だけど、クルマで行くのはオススメしないなー。
で、時間になってPOSSAへ。





もう一箇所ワイナリーがあるらしくって、このRiomaggiore中心のここは一部のワインやデザートワイン シャケトラとかを寝かせる熟成庫として使ってるらしくて。そりゃそーだ、クルマでここまで来れないし。
試飲しながらワイナリーの歴史やハイディさんのチンクエテッレでワイン造りを続ける思いを聞かせてもらって。
息子さんがワイン造りの仕事に興味持ってくれてるのが凄い嬉しいらしくって、印象的だったなー。







畑は分散して何箇所も、そのうちの一箇所は島で、収穫したブドウをボートで運んでる写真⇧、ヤバいけど。
一番近い畑を見せてもらって。Riomaggioreからクルマで5分くらい坂道上がる180度カーブ無理やりクルマ停めて、そっからの景色ときたらば、まあまさにコレじゃんね。
マジで、この6月初旬のチンクエテッレの畑を見れただけで、来て良かったと思ったし。ハイディさんのワインはマジで魚介系料理に無敵の相性だし。

で、そのままリグーリア州の海沿いを北上して、翌日訪問したのは2度目訪問のCASE CORINI。半年前の訪問であまりにもワイナリーもCostigliole d’Astiの町も好きになっちゃって。
あの畑が6月になってどうなってるのか超気になるし、Costigliole d’Astiの隠れ過ぎてる名店Ristorante Da Maddalenaも気になるけど、やっぱGuidoさんに会いたくって。
Ristorante Da Maddalenaが宿営業もしてるってわかったから、2泊予約して。なんせちっさいCostigliole d’Asti中心部には素晴らしいDa Maddalena以外にもワイン屋兼ワインバーのVino & Bottegaもあるし、ジェラートやケーキの名カフェBiscoもあるし。中心部に宿泊するのが最高じゃんね、駐車スペースはたっぷりあるし。
イタリアとかヨーロッパでは6月は初夏。つまりブドウ畑での作業が忙しい季節。だから、一杯だけお茶して、ご自宅兼ワイナリーの隣のBriccoの畑だけチラッと見たら帰るって言ったんだけど。
ちょうどGuidoさんのお姉さんのLuisaさんもいて、アイスクリーム食べながら近況とか結局1時間くらいお茶話になっちゃって。
で、「そろそろ帰るからー、Briccoだけチラッと…」「そっかそっか、じゃ行こうー」って。Luisaさんと、今回は濡れてない愛犬ブリックと一緒に畑へ。




まさに見たかった景色。
11月に、「えー、この畑からあのワインがー?!」って思った、収穫後の雨に濡れたBriccoの畑は、今はまさにグングン伸びて雑草もブドウの葉っぱもツルも大騒ぎみたいになってて。
半年前に色々と畑の基本的な話は聞いてたんだけど、今回はGuidoさん、やたら熱心に接ぎ木の話をしてきて。
イタリア語で「uva selvatica(直訳すると野生品種)」ってワード、後日メールで確認したら日本でいう山葡萄みたいな地品種じゃなくてアメリカ系ラブルスカ品種のことなんだって。⇩がそれなんだけど。


「この木は接ぎ木の台木のためのネブラスカ種で、こうして結実してるから植えて数年以上経ってるんだけど、この実は当然ワインには使わない。このBriccoの畑では品種含め色々と試してるんだけど、台木のネブラスカ種をある程度までしっかり育てて根を深く張らせてから接ぎ木をするってことをやってて、これはそのための木」、って。
なるほどねー、後で近藤さんに聞いてみよっと。
日本人スタッフお二人が、まさに灼熱の畑でお仕事してて、木の幹周りの横に伸びてる根っ子切りなのか、木の至近の雑草だけ刈ってるのか。何にせよ、僕の超苦手な灼熱の畑仕事。夏の農作業と凄いワインの香りや味わいやリンクしてる呑み手って、いるのかなぁ…
で、ちょうど作業してた方がGuidoさんに「この辺り、ちょっとベト病出てますねー」って。




Guidoさんは、「大丈夫、この程度は全然問題ないから気にしないで」、って。
「3〜4月は寒くて雨多くて結構やばかったんだけど、2週間前から夏日が続いて、ベト病も止まって一安心だけど、これから6〜7月しっかり太陽ギンギラギンに照りつけてくれないとアレなんだよ」、って。

アルプスの麓のピエモンテ州。日本よりは全然降雨量少ないけど、11月来たときは毎朝濃密な霧だらけで。
北海道のナチュラル系なワイン農家でよく「ヨーロッパ品種は北海道の雨量や気温や日照だと病気がどうしても… ヨーロッパでは病気一つ無く毎年豊作だろうけど…」って話を聞いてたから、イタリアで色々なワイナリー行くたびに話を聞くんだけど。
やっぱ、遅霜とか雹のダメージとか、あまりにも雨が降らない灼熱の夏とか、線状降水帯で壊滅的ダメージとか、北海道ほどじゃないにせよ、やっぱ有機的な農作業だとダメなときはダメなんだって。
ヴァレダオスタ州とかピエモンテ州とか、2024年は収量ほぼゼロって造り手も何人もいたしなー。
しかしまぁ、きっと僕は単にGuidoさんに会いたかったんだなー。前回来たときは、空いてるボトルを全部試飲したかったし、試飲してもしてもまだ飲みたい感じだったけど。今回は、少しでもGuidoさんと話したかっただけだったなー。








前回の反省踏まえて、日本から小ぶりだけど香りとれるワイングラス2脚持参して持ち込みして、最高のピエモンテワインと最高のピエモンテ料理合わせて幸せだったし。
また絶対に来るなー、この町。確実に。
で、最後の1軒が、バルバレスコのエリアにワイナリーがあるFabio Gea。知ってる?

僕はつい最近まで知らなくって。
友達の家飲みで「わたし、このワイン超好きなのー」って飲ませてもらって、で今回のRAWWINE東京で本人来てたから飲んで会話して「畑見に行っていい?」

そしたら、「じゃ、うちに飯喰いに来いー」って。そんな言われたら、行くじゃんね。
めっちゃ美しい丘の上の村Neiveの中心部からクルマで10分弱の教会の裏手に、Fabioさんの御自宅とワイナリー、畑の一部があって。


バルバレスコの畑らしいんだけど、こんな急峻なバルバレスコの畑って、ある?




畑に重機を入れないってより、入れらんないし。畑下ってくのも怖いし。ここも、ある意味ワイルドな畑だよなー。
小さい畑があって、狼とかに食べられないように柵がある中には、羊にウサギに鶏にウズラに…
で、Fabioさんは、色々考えて実践するのが大好きなんだって。
独自の陶磁器の容器作って、ワインの熟成に使ってたり、



自宅に隣接した教会の地下や一部を借りて醸造や熟成スペースにしてみたり、



更に、教会の建屋の一部を食堂付きアグリツーリズモに改装するプロジェクト手掛けちゃってて、「数年したら、仲間連れて泊まりに来いよー」って。元気過ぎる…
Fabioさんは、昔から日本人の自然農法の故福岡先生を大リスペクトしてたってんで、日本への愛もあるんだって。それもあっての今回の御縁だったみたいで。
で、僕の大好きな空知のワインを持ち込んでみたんだけど。


すごい率直に、「美味しい、これ美味しいぞ(確かに美味しいし、日本で飲んだんと同じ味だったから輸送や熱ダメージ無しで運べたみたい)」「これは早飲みタイプだな(聞いたら、3〜4年程度で飲むワインをEspressiveなワインだって言うんだって)」「私見だけど、発酵時かプレス時の酸化をもう少し抑えられれば、もっと良くなるんじゃないかな」、って。
で、「よーし、オレのワインも飲め!」ってなって。


一口飲むと料理一口食べちゃうような、穏やかで料理と二人三脚するワインばっかりで。
で、面白かったのが、「池に陶容器に入れたワインをユラユラさせて熟成させたワインと、全く同じヴィンテージ・畑・醸造方法で熟成だけ異なる容器のワインの飲み比べ」。マジで、ユラユラのほうが円やかで優しくて香りも一体感があって。うーん、怪しいと思ってたけど…
もちろん、ファビオさんのマンマの手料理もとっても美味しくって。

こっから深夜0時回ったバルバレスコ〜アスティの夜道を運転して帰るのは、なかなかスリリングだったなぁ。

ってわけで、今回も素敵な人たちに会えたし、美しいブドウ畑歩けたし、いい旅だったなー。
次回は11月、アブルッツォとグラナダかなぁ…
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