にゃー🐈️ ニャロです。
北海道初日、朝に新千歳空港着陸したばっかだってのに、すでに二軒のワイナリーを訪問して、次が今日の三軒目。
いいじゃんね。香川県「うどん旅」でも、一日三軒以上のうどん屋さん廻るんだから、むしろ当たり前よね。
アポイントの15:00までちょっと時間があったから、ニッカウヰスキー余市工場前のカフェで「メロンプリンアラモード」を頂いたり、
主役の辻堂「ザ・シェフ」は、樽試飲の余韻でうつらうつらしたり。
そんなこんなでお伺いした『じきの畑』。醸造は空知の『10R』で委託醸造なんだけど、今回めっちゃ興味があった訪問先なの。
本当にホンの一口飲んだだけなんだけど、「優しさ」を飲み物にしたらコレだわ、って印象。ドラクエⅦに登場する「優しさの精霊の泉」を飲んでる気持ちだったんだからね。
余市駅から南に4km、『じきの畑』に到着したんだけど。
村田さんが見当たらないの。
ご自宅前のワンワンに聞いても、
道路を挟んだ向こうにそびえる丘に広がる『じきの畑』、きっと作業中じゃんね。
ひゃー、まったく見当たらないじゃんね… なんせ畑の中央部がもっこり膨らんでるもんで、畝の端から端が見渡せないの。まさに「迷宮組曲」。
2ヘクタール(=20000㎡、例えば100m × 200m)はありそうな畑をグルッと一周しても、村田さんがみつけらんないんだもん。
畝も二本往復したし、足ガクガク。でも軽トラ停まってるし。でも見つけられないの。あぱー…
丘を下ってご自宅戻ったら奥様がいて、「畑にいるはず… 畑の真ん中らへんで作業してると見つけにくいのよね」、だって。ギャフン!
諦めちゃダメ、再度 丘を登るの。
で、もう一回 畑を一周しながら捜索したら、発見! 村田さんじゃんね。
農学博士 兼 ファーマー 的な村田さんに案内していただいたんだけど、まぁ耳にしたこと無い化学成分名称や植物学・農業用語のオンパレードで、1/3くらいしか理解できなかったけど、来年の夏にチャンスがあれば畑仕事(徐葉くらいしか出来ないかもしんないけど…)をお手伝いしたいなぁ、って今回の旅で一番強く思った畑というか村田さんだったわん。
〈村田さんのお話〉
今の時期は除葉作業が忙しい。ソーヴィニヨンブランは葉っぱが小さいがピノ・ブランは大きめ。
一般的に「結果枝」に葉っぱ30枚っていわれるが、ワインはもっと少なくていい。
重なる葉っぱは、光合成が不十分になるので、取る(除葉)。葡萄より低い位置の葉っぱは、根っこに栄養を送るから要らないので、取る。
病気対策としても、除葉作業は凄く大事。
下草は刈らない。虫も増えるけど下草にも虫はいく。実際に「うりはむし」の害が減った。有機の薬剤はウリハムシには効かない。背の低い葉っぱが好物のよう。
虫と雑草の関係は面白い。例えば「寄生バチ」。カメムシが葡萄の花をかじると葡萄の樹が寄生バチを呼んでカメムシに寄生する。来年は寄生バチを呼ぶ花を植えたい。
グリューナー・ヴェルトリーナーは豊産な葡萄品種で、目一杯 芽欠きしてもかなり収量ある。ベト病だけ気をつけている。ベト病が出たらピンセットで除去する。使っている薬剤は重曹とボルドー液。
岩見沢は雨が多く、ベトが酷いらしい(中澤ヴィンヤードの中澤さん情報)。
去年は畑の樹が四年目で根張りが弱かったから、去年の暑い夏は葡萄の樹には辛かった。五年目の今年は暑すぎず、雨は多かったが、今のところ悪くない出来。
今年の収穫時期予想は10月第二週。赤葡萄は10月最終週まで、引っ張りたい。
去年学んだこととして、糖度なんかの数値より自分自身の感覚が大事。
分析値よりも、葡萄の皮や種を噛んで、最初にナッツ感を感じたら完熟していると学んだ。
2020はタンニンが立ち過ぎていた。
「タンニン」にも種類があって、美味しいタンニン・甘いタンニンなどある。自分は「苦いけど甘いタンニン」を取りたい。夜間が寒い北海道ならできると思う。(収穫を引っ張ることで)病気が増えても、それは収穫で個別に取り除いて対応することで、「苦いけど甘いタンニン」まで葡萄を熟させて収穫したい。
カベルネ・フランのような品種は、特に未成熟な種のタンニンは厄介。ワインが青臭くなる。
堆肥は蒔いてない。肥料として蒔いているのは牧草と羊糞だけ。だからチッソ成分がないけど、それで充分だと思う。ここの畑は、前が果樹園だったので、土に残肥が残ってると思う。
去年はコウモリの糞まいた。リン酸が豊富で結実が良くなる。
ツヴァイゲルトは実つき良いがベト多い。
この時期、除葉が終わったら腐った実を取る。
ピノ・ブランは実が締まるので、灰かびがつきやすい。シャルドネも同様。
リーフロールという根っこの病気がある。根っこに瘤ができたら、その樹は切る。
今のところ、今年は去年の倍の収量を見込んでいる。シャルドネは前年と同じくらいだが、ソーヴィニヨンブランは倍以上収穫できそう。
目指すワインは、アフターテイストが「シュッ」とスッキリした白わいを作りたい。中膨れしたようなアフターテイストは好みじゃない。
ソーヴィニヨンブラン、グリューナー・ヴェルトリーナーはそれぞれ単一キュベをやるつもり。本数は少なくて120本ずつくらい。
醸造を委託している空知の『10R』は、今年は4軒の委託依頼を断って25軒、なので(収穫時期込み合って)醸造が大変そう。収穫時期の予想は10月中旬〜下旬。これから台風だけが怖い。
収穫は黒葡萄1日、白葡萄4日間。状態みて収穫タイミングを決める。
〈感想〉
是非来年の夏は、除葉とかお手伝いに来たいわ。そう願わせる不思議な畑。ヒグマが出てるってのはめっちゃ怖いから、来年はでっかい鈴を首につけてお伺いしたいわ。
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