にゃー🐈 ニャロです。
今日は火曜日、めっちゃ久しぶりに通勤時間帯にJR東海道線にライドオン。
藤沢駅ホームは、上り始発電車待ちリーマン達の座りたい座りたい通勤オーラで、霊界列車駅みたいな恐い雰囲気。恐すぎて、ちょっと漏らしたかも…
脳内ゆるゆる、久しぶりの通勤ラッシュにビビりまくりな僕。そう、ローマの地下鉄でプロのスリ集団に囲まれた日本人観光客の気分なの。
なんで安全安心暖かい炬燵からヤクザタウン川崎まで飛び出して来たかって? それはね、どうしても観たい映画が川崎で上映してるからなの。
『トリュフ』、聞いたことはあるでしょ? 「フォワグラ」「キャビア」「トリュフ」の3つの食材が「世界三大美味」とかって呼称されちゃったりしてるけど、個人的にはキャビアより最高のイクラのほうが美味だし、フォワグラもノーサンキュって言えるけど、トリュフは別格なのよ。
まして、トリュフ界の皇帝陛下『白トリュフ Tartufo bianco様』ときたら、はっきし言って並ぶモノなんて、いません。人類が合法としている全ての物質の中で、確実に「The most dangerous and fascinating」なヤバい茸、なんだから。
ワインでもクラフトビールでも「香り第一主義」の僕にとって、「世界三大美味食材」と言えば、「白トリュフ」「ポルチーニ茸」「その他 天然キノコ群」なわけ。その中でも、異常なまでの攻撃的蠱惑的誘引力を持つ激ヤバ茸。イヤイヤ、もう「きのこ」のレベルは超越した、神様の領域かも。それが『白トリュフ』。
『白トリュフ』ってのは、世界でも黒トリュフ以上に限られた地域だけで生育する、とってもスペシャルな茸。「香り松茸、味しめじ」なんて言うけど、トリュフは香り99.999%の食材なのよ。
どんな香りかって? 決まってんじゃん、「トリュフの香り」よ。唯一無二、他に喩えるモノは無いんだから。
ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、スロベニア、フランスなんかでも少量獲れるらしいんだけど、白トリュフの最も知られてる産地は、北イタリア ピエモンテ州の小さい町 アルバ周辺。
『バローロ』『バルバレスコ』『アスティ』なんて名醸ワインの産地がズラリとあるから、今までに5回『旅』したんだけど、そのうちの1回は『白トリュフ』が目的の『白トリュフ旅』だったのよね。思い出すだけで、ヨダレで溺死しそうだわ。
小さなアルバの町が人で溢れるのが、年に1回の「トリュフ祭り」。毎年10~11月にやってて、メイン会場の体育館みたいなホールは白トリュフだらけ。
観光客でも購入できる、小粒な白トリュフを扱う屋台から、「近寄ったらぶっ殺す」みたいなガードマンが護衛してる、一塊で100万円しちゃうお宝トリュフまで勢揃い。むせかえる白トリュフの強烈濃密な香りに、卒倒しそうなくらい。
小さな町全体で、パレードとかイベントやってるんだけど、まあいいのよ。そうゆうのは、雰囲気だから。そもそも半端無いリアル高級食材だから、偽物だったり残念なC級品だらけ、ここはなんてったってイタリアだかんね。香りが大外れな粗悪品に、トリュフ臭プンプンのトリュフオイルぶっかけたモノ出されて、「ムムム、これは粗悪品アルヨ、取り替えるアルヨ!」なんて言える日本人は、海原雄山先生くらいでしょ。
モノホンの地元で獲れた白トリュフをガッツリ頂くには… 僕が選んだ手法は、所謂「料理旅館」に宿泊しちゃうこと。地元の美味しいモノ食べることだけを目的に宿泊するっていう、イタリアどころか世界中のおバカさん達が宿泊する「料理旅館」で、朝ご飯食べて、散歩して、二度寝して、昼御飯食べて飲んで、昼寝して、散歩して、夕飯を食べて飲む。
泊まった料理旅館は、まさにネッビオーロのバローロ一級畑のど真ん中。畑の名前が「教会の何とか」で、小さな教会に並んだ旅館はシンプルそのもの。
野外で食べる朝ごはんも素敵だったけど、
夕飯のリゾット「Risotto al Tartufo bianco」は、気が狂ったように白トリュフをどっちゃりスライスし続けるカメリエーレのお兄ちゃんの気前良さと、アルデンテがバシッと決まったリゾットが、もう何ともウッフーンなわけ。幸せだったことしか覚えて無いから、もう1回お泊まりに行かないとね。
あ、映画ね、『白いトリュフの宿る森』。画面に釘付けの90分。
映画館は貸し切り状態。いいじゃん、これこれ、平日は最高よ。
『Truffle Hunters』ってくらいだから、『狩り』なんだけど、トリュフ犬と狩人爺さんたちの愛の信頼関係。これが全体の半分以上。
トリュフ狩りって、昔は豚に、今は訓練したトリュフ犬にトリュフを探させるのよね。なんたって、トリュフは土の中で育ってて、目視できないから。
豚はトリュフ食べちゃうから、犬。犬もトリュフ傷つけちゃうと価格ががた落ちしちゃうから、飼い主は真剣そのもの。そりゃそうよね。一個のでっかい塊で100万円って世界。大間のマグロに近いかも。
映画では、生臭いお金のやりとりが20%、美しいピエモンテの山中の景色が30%。しかし、なんていっても「トリュフ狩人と犬」、この関係性をほぼノンフィクションで撮影した監督さんも凄いけど、「トリュフ狩人」のお爺さんたち、なんかわかるのよね。
主役の一人、ゴネッラ爺さん。
御年87歳。お婆さんから「もうトリュフ狩りは引退しろ」「何かあったら近所に迷惑だ」「夜は危ない」「昼危ない」ってガミガミ言われてて。それに対して、「夜の森のフクロウの鳴き声が聴きたいんだ」「トリュフを見つけた瞬間の喜びの無い人生なんて…」って。なんか、真夏の江ノ島 裏磯で満月眺めて波音聴きながらルアー投げ続けるのと、ちょっぴり共通してるなぁ、って。
ラストシーンは、ちょっとフィクション気味だけど、最高のラストシーン。ハリウッド映画監督のスピルバーグさんには無理だろうけど、少しは勉強して欲しいわ。
って訳で、僕はめっちゃ幸せ。こうゆう素晴らしい映画を観ると、心がめっちゃ豊かに、ハッピーになるじゃんね。大船で飲むクラフトビールも、ひときわ旨いじゃんね。
決めた。株式投資で少し余計に儲かったら、アルバに行く。ラ・モッラにも。そして、余計な儲けは、全部トリュフスライサーで白トリュフスライスしてもらって、目玉焼きや生肉叩きやリゾットにぶっかけてもらって、カノニカのバローロで流し込む。
決めたかんね。文句あるなら、一緒に来たらいいじゃん、悶絶して気絶するのが関の山だけどね。
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