ナチュラル過ぎる料理人たちと旅するバジリカータ・プーリア・カンパーニャ・ラツィオ・ヴァレダオスタ・ピエモンテ 2024秋 #5 Caserta➡Piglio➡Olevano Romano

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ぐるめ

にゃー🐈️ ニャロです。

旅の8日目、カンパーニャ州の山奥Ariano Irpinoからラツィオ州に移動するんだけど、せっかくカンパーニャ州を通るんだから、ねぇ。
やっぱ、本場のナポリピッツァを食べたいじゃない、当たり前じゃんね。

とは言っても、ナポリ旧市街どころか、ナポリ自体にクルマでアプローチするなんて論外。絶対有り得ないダメダメちょいす。ナポリ人のクルマの運転たるや、僕の知る限り世界最凶。

そこに、イタリアの原チャリVespaの大群が入り乱れ、ファンファーレの如くクラクションは鳴り続き… 地獄だから。

じゃあどうするかって、Googleマップ眺めてたら、通る予定の高速道路がカゼルタを通過するじゃんね。
しめた!なら大丈夫。カゼルタでピッツァ食べてこう!

カゼルタはナポリ王国時代の宮殿がある街で、観光名所なんだけど、水牛モッツァレラの産地でもあるのよ。
二十年くらい前に、同じカンパーニャ州の海辺のド田舎Paestumに水牛モッツァレラ食べに行ったとき調べてたから知ってるってわけ。

んで、ググッてみると、何店かナポリピッツァの名店がカゼルタにはあって、世界一になった店もカゼルタの郊外(かなり山奥)にあるみたい。

朝一で宿を出て、カゼルタの飲食店向け調理器具什器のプロショップに立ち寄って買い物タイム(Hスーシェフがドルチェ型買ってた)。


さすがカンパーニャ州のプロショップ、ピッツァ関係の器具道具は見事な品揃えだけど、手打ちパスタ関係は淋しい感じ。イタリアって、郷土色相変わらず強いよなぁ。

んで、ネットで予約した時間まで、カゼルタ宮殿を眺めたり、旧市街ぶらぶらして、

いざピッツェリア「Sasà Martucci – Pizzeria I Masanielli」へ。

ってか、駐車がね、駐車場がヤバいじゃんね。
いくらナポリじゃないからって、ここは極悪非道情け無用のカンパーニャ州。カゼルタは特急列車も一部停車する駅があるし、そこそこ大きな街だし、路上駐車は…

で、係員がいる有料駐車場を事前に調べて行ったんだけど、12€。安くない、ってかローマより高い。うひょー!
で、そこはほぼ満車。つまり、そうゆうこと。
地元(ってか、イタリア人)が12€支払ってでも、そこにみんな停めてるってリアル。やっぱナポリ周辺怖いじゃんね…

で、ピッツァ。


開店前から大賑わい、日本でいう人気ラーメン屋さんみたいな。
ネット予約してたから、最初に名前呼ばれて。


さくっと着席して、マルゲリータ・サルシッチャと黒オリーブのピッツァ・カルツォーネ・グリーンサラダを注文。
なんだかホールスタッフ多いし、若干高級感あるカジュアルなピッツェリアで。


ピッツァはどれも文句無しに美味しい!んだけど、なんか「愛」は無いなー。準ファミレスというか、イタリアで愉快で心地良いのって、家族経営の濃厚な伝統感じる古典的飲食店だからなー。


なんつーか、ナポリ市内の、古臭いこじんまりしたピッツェリアに次回は行きたいなー。

で、お昼食べたらカンパーニャ州を脱出。一路北へ、ラツィオ州のアブルッツォ州裏側のド田舎、Piglioへ。

大好きなイタリアワインインポーター ヴィナイオータの経営する「ダダ食堂(つくば市)」の店長クドーくんのイチオシワイナリー「La Visciola」に訪問するのです。
日本で何本か飲んだ赤ワインは、実にイタリアらしい素朴だけど柔らかい味わいで。ワクワク。

ビショラのピエロさんローザさんに、まず醸造設備を案内していただいて。
3年前までは木枠の垂直バスケットプレス使ってたんだって。今は最新の横型エアープレス。
発酵にはコンクリートタンクとステンレスタンクの2種類、山の裏側のアブルッツォ州でもコンクリートタンクは人気だったなー。

今回の旅の前半戦、唯一ここビショラではぶどう畑見せていただけて。
「La Visciola」は買い葡萄でもワイン作ってるけど、本命は4つの自社畑。チェサネーゼって赤葡萄で醸造する赤ワインを、畑ごと異なるキュベにしてて。


今回は、北向きの畑「Piglio」と南向きの「Mozzetta」までクルマで見に行ったんだけど。
ダブルグイヨ仕立ては、この地方の伝統的な仕立てなんだって。なんか凄い実がいっぱいつきそう…
なんだけど、今年は春〜夏の雨量多くて病気が凄かったせいで、ぶどうの味はいいけど収量はかなり少ないんだって。

4つ畑、それぞれ標高も方角も土壌も違って
ピエロさんが1番好きでエレガントな葡萄が取れるって思ってるのが、Piglio。
北向きで日照時間短くて気温も低くて、パワフルではない繊細なブドウが取れる畑なんだって、他の畑が赤土だけどここは白土が混ざってて複雑な風味になるんだって。

1番美しい畑がMozzetta、日照時間が長くて糖度があがって豊かな体躯、ボトルで最低2年寝かせて出荷したい畑なんだって、へー。

ガシガシと畑を歩いてくピエロさんのぶ厚い背中が印象的で、理由はわかんないけど嬉しくなっちゃったのよねぇ、なんでだろ。

かなりゆっくり畑見せて頂いて、ピエロさんと畑歩いて、楽しかったなぁ。


ラツィオ州っていってもローマと大違い、カステッリ・ロマーニとも違って、とにかくド田舎。最寄りのアブルッツォ州まで直線距離で20km無いもんね、アペニン山脈越えたらアブルッツォ州。

そのあと、自家製オリーブオイルやカルチョーフィのオイル浸け、地元ハム・サラミやリコッタチーズ出していただいて、合わせてボトル熟成庫で何本か試飲させてもらって。白もロゼも美味しいけど、やっぱツボなのがチェサネーゼの赤。


「うちの赤ワインは、熟成させればより美味しいけど、本数少ないから…」って。
実際、夜行った近所のトラットリア「Sora Maria e Arcangelo」、この辺りじゃピカ一の名トラットリアだけど、「うちにも年間18本ずつしか…」って。だから現行ヴィンテージしか置いてなくって。
「ヴィナイオータの店舗でPiglioの2017年売ってて、お店で飲んだ」って言ったらピエロさんびっくりしてた。

ピエロさんが目指してるというか、ハナシを聞いたのが、
「ワインだけで考えちゃダメ、地域があってブドウがあって毎年の気候があって、造り手が畑仕事して、醸造して、それを繋いでいくインポーターや酒屋、レストランや顧客がいて、それぞれの人生に関わっていくもの、それがワインだと思う」って。うーん、なるほど。

ちなみに、飲ませていただいたMozzetta 2021も素晴らしく美味しかったけど、仰天したのが「Nostrano 2021」。なんじゃこりゃ、田舎のピノ・ノワールみたい、なにこれー?

「トスカーナ起源のノストラーノって葡萄、もうトスカーナじゃ全滅してると思う。うちの畑でちょいちょい育ててるのを集めて醸造して、たまにリリースするっていうワイン」、だそうで。
これはヤバい、今夜呑めるかなー、ダダ食堂に買いに行かないとなー。

ほんと、来て良かったなー。地味だけど、とても美味しくて大好きなワイン。この造り手が1番好きだって言い切るヴィナイオータのクドー店長も、凄いし、輸入してるヴィナイオータも凄いなー、感謝感謝。

で、最寄りの村Olevano Romanoの民泊へ。


ここもヤバいというか、クルマで行くのが至難の村で、丘の上にちょこんと乗ってるような小さい村だから道路は細いし路駐できるスペース無いし。
どう考えても駐車不可能だって絶望に襲われてたら、待ち合わせ場所に家主さんが待っててくれて、クルマ誘導してくれて。

門をくぐって、住民用パーキングスペースへ、しかし入り口が40度近くて斜めに捩れてる急傾斜で。前輪駆動で車体長いツーリングワゴンのタイヤが空転して昇れないし。地獄。

なんとか駐車してチェックイン。この村にホテルやB&Bなぞありえない…

くらいド田舎なのに、この村のトラットリア「Sora Maria e Arcangelo」は超満席。すげー、皆さんどちらから…

さすがは「RAISIN」掲載店。
去年冬のアブルッツォ旅の行きに寄りたかったんだけど、日程合わなくて断念してたから絶対来たかったんだけど。クルマ停めれないから来てたらヤバかったなー。

ワインは迷わずヴィショラの…

マジでセラーにもバックヴィンテージどころか現行ヴィンテージ自体残り少ないってんで、さっき試飲したMozzetta 2021を注文。地元料理と合わせてみたいし、なにより旨いし。

で、このトラットリア、厨房スタッフ10人+ホールスタッフっていう、「なぜこのド田舎村に?」って不思議かつ席数多いお店なんだけど。
ナニが強烈って、料理長。ぱっと見、ガタイでかいし強面なんだけど。すげー気合い入ってるの。まさに、親分って感じ。

今夜は、AシェフとHスーシェフのイタリア最終ディナー。なんだけど、連戦続きで食欲がややアレなHスーシェフ。

でも大丈夫。
海賊船長みたいなシェフに「目玉焼き… お願いできますか?」って恐る恐るわがままオーダーしてみたら、「よっしゃ、オレが焼くぜ!」って厨房に走ってって。有塩バターたっぷりで揚げ目玉焼きサササッと作ってきてくれて、Hスーシェフ感激。そしてメインにポルチーニサラダ。これを食べれないなら、もう入院級の重症胃腸炎だけど、パクパク食べてたじゃんね。良かった良かった。

ちょうど時期の天然キノコ。日本と同じで、ド田舎=天然キノコ。トリュフとポルチーニの季節メニューだらけ。

僕は、もちろん、
一皿目 ポルチーニのフェットチーネ
ニ皿目 ポルチーニのフライパン焼き、ミントと地元産ニンニク風味
完璧な注文。完璧な美味しさ、特にフライパン焼きは三十年前にフィレンツェの「Buca dell’Orafo」でビステッカに乗っけてもらった焼きポルチーニ以来のグレートな美味しさ。
興奮したー、最高だぜー!

食後酒も飲んで、みんな良い気分。
これで旅の前半戦は終了。明日はローマ フィウミチーノ空港で2人とお別れして、空路トリノへ。そして未踏の地 ヴァレダオスタへ!

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