にゃー🐈 ニャロです。
素晴らしい体験をさせてもらったバルトリさん一家のワイナリーを出て、
千鳥足ならぬ千鳥運転で、西へ。
今日からトラパニで2泊。だって、マルサラの町にマルサラ酒があるわけじゃないし。ホンモノのマルサラ酒は、サンペーリのバルトリさん家にあるんだし。
連泊すると、荷物置きっぱでいいし、ゆったり町を散策できたり、昼から呑み歩けたり、旅気分が盛り上がるじゃん。だから、トラパニ中心部の民泊を2泊予約したってわけ。
んで、道中にあるワイナリー「Cantine Barraco」に寄ってみたの。アポイント無いけど、シャッカで飲んだZibibboが素晴らしかったから。
天下無敵のGoogleマップで見つけた住所に向けて、クルマを進めると、明らかにヤバそうな細い未舗装道路へ。西には数百メートルのとこに青いティレニア海。周りはブドウ畑。そして、どこにも醸造所というか、ワイナリーは見えず。
まー、そんなことアルアルで。ノーアポでワイナリー見学まで(試飲購入ついでに)させてもらっちゃったエトナの「I Vigneri」が幸運過ぎただけ。
畑がこんな海辺の平らなマルサラ郊外にあるってわかっただけで、嬉しくなっちゃうのはワインバカ症候群の初期症状かも。
んで、諦めてトラパニへ。途中、塩田で一時停車。
懐かしいなぁ、焼鳥大学の卒業旅行一人旅で来て以来。ってか、三十年前も一人旅、今も一人旅。なかなか一貫性があってヨロシイじゃんね。今晩秋の4人プーリア旅も楽しみだけど。
遠くにピンク色のでっかい鳥の群れ… フラミンゴじゃんね。アフリカ近いし、なんつーか異国感が凄いよなぁ、西シチリアって。
塩田風車横に停まってたお土産トラック売店で、お土産会用に塩田のお塩買って、さあ宿へ。
ってか、トラパニ(Trapani)は西シチリアでは大都市で、人口7万人。パレルモやカターニャなんかに比べれば人口少ない港町なんだけど、旧市街エリアはかなり狭いもんで、駐車場がね。
かなり厳密な管理されてて、公共の有料路上駐車がね。スペース自体は、海沿いにグルーっとあるから、いいんだけど。かなりの頻度で取り締まりの役人なのかアルバイトなのか、回ってて。もう検挙されんのはノーサンキューだし。
ムダに理解できちゃうイタリア語スキルを駆使したら、パーキングチケット販売機に書いてあるのは、
・8:00〜13:30, 15:30〜24:00は有料
・料金は1時間1ユーロ。つまり、まる1日クルマ停めるには14ユーロもかかる!
・「チケット無かったら、容赦なくレッカー移動の刑」
… なんつー恐ろしい町に2泊も… これだから、都会に泊まるの嫌なのよ。あー、ストレス!
私営の、パーキングビルもあるけど、覗いたら凄いみっちり隙間無く高級車ばっかり停まってて。基本的に予約制で、係のおじさんが駐車作業してくれるらしいんだけど、まあお値段はお高め。こりゃ、諦めてチケット買うしかないなー。
そして、そのチケット買えるのはコインのみ。スマホでネット上で買えるみたいだけど、そんなの怖すぎだし。1日券があるってネットで情報あったから何件かタバッキ行ってみたけど「売ってない」の連呼。いいもん、小銭でパーキングチケット買うもん…
去年の北イタリア旅では、高速道路の支払が紙紙幣でできて、イヤッてほど小銭が貯まったんだけど。シチリアの高速道路は全部無料だから小銭を貯めるの難しくって。あー、ストレス…
幸い、トラパニには数件スーパーマーケットがあるから、水買って10ユーロ出したり、ジェラート屋さんで5ユーロ紙幣出したり。あーストレス…
ただ、トラパニの旧市街って、駐車場以外はかなりご機嫌な町。なんせ、三方が海に囲まれてて、そこそこお店や飲食店もあって。例のナチュラルワインアプリ「RAISIN」にもワインバーが掲載されてるし。
それに、シチリア料理には、「なんとかのトラパニ風」ってのが結構あって。だから、地元郷土料理を食べ歩いたり、西シチリアのナチュラルなワインを飲み歩いたり、色々忙しいわけ。当たり前じゃんね。
宿に荷物置いて、
旧市街を少し散策して、
まず入ったのは「RAISIN」掲載のワインバー「Enoteca Versi di Rosso」。結論、この町でナチュラルワイン飲むなら、ココ。
初日はサクッと一杯。「ナチュラルな地酒を」ってお願いしたら、アルカモの「Porta del Vento」ってワイナリーのアンフォラの。へー。
しかし、アルカモのナチュラルなワインって、ホントに醸し系が多いなー。ナチュラル=オレンジ系みたいな。なんでだろー、暑いからかなー。
このワインバー「Enoteca Versi di Rosso」、けっこう食事メニューしっかりしてて、これから夕飯だってのに、「マグロのカラスミのブルスケッタ」なんてメニューあったら、食べちゃうじゃんね。
ってわけで、翌日も来ちゃうわけで。
イタリアに限らず、飲食店の店員さんって、お客さんよく見てて。2日連続で行くと、よほど記憶喪失か意識白濁な店員さんじゃなければ、覚えてるし。
今日は、ワインも楽しみだけど、アレ食べたくって。メニューにあった「マグロのステーキ」。
だって、ここトラパニ沖は、あのワイルド過ぎて禁止というか中止になっちゃった伝統のマグロ漁「マッタンツァ」の舞台だったんだから。
今日は夜だし、ボトル呑みしよっかと思ったんだけど、「お、また来たな」って店員さんが、「今日はこれが開いてるぜ」って。それが、まさに飲みたかった「Cantine Barraco」のGrillo、
さらにパンテレリア「San Giorgio」のZibibbo。
完璧じゃん、なんて素晴らしいワインバーなんだろ。
野菜のグリルとマグロステーキ、美味しい西シチリアのナチュラルなワイン。実に幸せ。最高。
ヨーロッパ人は屋外席大好き。旧市街のメイン通りだし、屋外席は満席で大忙し。それを店内から眺めながら呑み喰いする僕。実に良い。ここは絶対また来ちゃうんだろーなー。
んで、トラパニ初日の夜。狙ってたトラパニ郷土料理の「CANTINA SICILIANA」へ。
アフリカ至近のトラパニ。色々と郷土料理があるけど、外せないのがクスクス。ってか、真面目にシチリアのクスクスを食べてみたくって。
何故かって、鎌倉に「LIBERTA」ってシチリア料理屋さんがあって。そこのシェフのクスクスが食感面白くって、「これがホンモノだ」って聞いてたから、ホントにそうなのか確かめたくって。
開店時間ぴったりに行ったら座れたけど、1時間したら満員御礼。ここは予約したほうがいいお店みたい。昔からの家族経営オステリアだねー。
悩みに悩んで、頼んだのは、トラパニ風クスクスとトラパニ風カジキのステーキ。そして、「先にカジキ」って出す順番でカメリエーレにお願いして。
イタリア料理をお勉強したヒトなら常識だった「イタリアンは、前菜➡パスタ➡メイン➡チーズ➡ドルチェ。当たり前だろっ!」って感じなんだけど。
でも、いくらイタリア人が少食になってきてるって言っても、メインの肉料理や魚料理はボンバイエなボリュームだったりするお店が今も健在だし。こうゆう伝統的で古典的で家族経営で歴史あるオステリアは、盛りがゴリラ級な場合が多いのよ。マジで。
だからさ、別にシキタリとか無視して、自分が美味しく食べれる順番とか選択で食べればいいわけ。例えば、「前菜とパスタだけ」とか「パスタ➡パスタのダブルパスタ」とか。
今回、どうしてもカジキのステーキは食べたかったんだけど、デカいんじゃないかなーって予感があって。もちろん、クスクスもドカっと盛り凄そうだし。
だから、先にカジキのステーキを出してもらって、空腹の胃袋が巨大カジキステーキを美味しく食べて。で、少しお腹いっぱいでもパスタ(クスクス)なら食べれちゃう理論でパスタをやっつける、って作戦。別に料理人たちもカメリエーレたちも怒ったりしないから、安心して試してみてね。
んで、ワイン。クラシックなオステリアだから、ワインもクラシックな「どんなフガータ?」とか、ワインリストに並んでるんだけど。
でも安心。今日行ったばっかりの「DE BARTOLI」の白ワインが何種類かオンリストしてるから。なんせ地元の名門ワイナリーだもん。
で、昼に試飲というかエンジョイしたばっかりの「Grappoli del Grillo 2022」をオーダー。完璧じゃんね。
お昼に飲んだのは2022、2005、2002。当日に飲んだ全く同じキュベ同じヴィンテージをボトルで頼むなんて、人生初だけど、ワクワクじゃんね。
だって、まさに西シチリアを代表する「普通」な白ワインが、西シチリアの郷土料理とどうマッチングするか、確認できて楽しめちゃうなんて、真面目すぎるし嬉し過ぎるじゃんね。
ワインのコンディションはバッチグー。店内にはお客さんたちがジャンジャン入ってきて、満員御礼。席数ほどほどあるけど、要予約だなー。
さて来た。カジキのステーキ…
でかい、想像を越えてデカい。これ、普通に一人前?やっべー、日本のシチリア料理屋さんの3人前以上のギガサイズ。予想は当たったわね…
これがまた、美味いのよ。地元のトマトにケッパーどっちゃりのソースもだけど、生カジキのステーキ自体が焼き加減最高だし、お味もバッチグー。これこれー、こうゆうワイルドかつ洗練されたトラパニの郷土料理を食べたかったのー。
んで、バルトリさんのGrilloが合うかって、そりゃアンタ、合う合う。痛快なくらいグッドマッチング〜。あー、幸せ。
ってわけで、結構瞬殺でごちそうさま。あんなデカかったのに…
んで、クスクス。こっちは予想通りにメガサイズ。
んで、クスクス自体が… おお〜、鎌倉の「LIBERTA」と似てるクスクスだー。
なんかね、みんな知ってるイタリアのパスタ大手「DE CECCO」とかのクスクスって、お湯を加えて混ぜて十分蒸らして出来上がり、って感じで。モソモソって食感で、それはそれなんだけど。
こことか「LIBERTA」のクスクスって、専用の蒸し器で蒸し蒸しするみたいで、見た目も食感も全然違うのよ。マジで。
魚介トマトなソースというかスープ、とまらない旨さってんじゃないけど、なんつーか普通に美味しいスープで。なんつーか普通に美味しいスープで。
やっぱ、パスタが美味いと、食べ切れちゃうわけじゃんね。作戦成功。結局、食べきっちゃうわけ。
ドルチェは、カッサータ。クラシックなレシピ、当たり前じゃんね。あー、満足満足。
僕はさー、やっぱクラシックな郷土料理が大好きで。だって、美味しいレシピじゃなかったら、現代まで受け継がれないじゃん。飲食店だったら倒産だし、家庭だったら離婚だし。
パスタの「トラパニ風」も、美味いんだよなぁ、トマトベースでアーモンド入っちゃってて。あー、トラパニに宿泊して良かった〜!
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